思い

  • 2018.07.23 Monday
  • 09:00

ときに「思いもよらない結果」が出ることがあります。中でも、悪い結果が出たときには、何となくその原因は思い浮かぶのですが、良い結果が出たときには、正直なところ「運がよかった」としか思えないことがあるものです。

 

  「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」

 

という言葉がありますが、まさにそのような状況を端的に表している言葉だと思います。

 

しかし、全く「思いもよらない」ということはありません。そこには、その結果が出せるだけのベースはあるものです。たとえば、少年野球のチームがプロ野球チームに勝つことは絶対にあり得ません。プロ野球チームに勝つためには、それに見合うだけの能力や努力が欠かせません。それだけの基礎があって、初めて「不思議な勝ち」があるのです。

 

また、人に関わることであれば、そこには「相手を思う心」が欠かせません。そのような心を欠いた上で出た結果は、一時的には良いものであっても、長続きはしません。人に関わる物事の結果は、必ず相手を思う心と比例するものです。

 

よって、人に関わる内容で結果が出ないということは、相手への思いが足りないという認識を持つ必要があります。

 

  「念ずれば花開く」

 

という言葉がありますが、まさに思いの量が結果を左右すると考えておいてよいでしょう。

 

一方で、「負けに不思議な負けなし」とはいうものの、「原因が全く分からない」ということもあるのではないでしょうか。そのような迷宮に入ってしまったら、自分一人で考えても答えはでないものです。「見えていない自分」の存在が、その原因となっていることが多いからです。

 

そのようなときは、「人に映っている自分」がどのようなものか、人に尋ねるしかありません。素直に耳を傾ければ、それこそ「思いもよらない理由」が出てくるものです。しかし、その「思いもよらない自分」をきちんと認識しなければ、「思いもよらない結果」を覆すことができません。

 

よって、人に関わる物事については、「相手のことをとことん思う」と共に、「相手の思いに素直に耳を傾ける」ことが大切です。

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    他人の目

    • 2018.07.17 Tuesday
    • 09:00

    先日、ある雑誌を読んでいたところ、精神科医・水島広子氏の『「他人の目」が気になる人へ』という著書の紹介が載っていました。そしてその中で、

     

    「『他人の目』にとらわれるということは、人を気にしているようでいて、実は強烈に自分自身のことばかりを見ているということ」

     

    というフレーズが目に飛び込んできて、ハッとしました。自分自身を振り返ってみると、人の目が気になるときは、まさに自分のことばかり考えているときであると感じたからです。

     

    一方で、『他人の目』にとらわれる」ことが、「自分の心を偽り、無理して行動する」ことや、「世間体に縛られて自分の人生を決めること」につながるものであると解説されていましたが、それには多少の違和感を覚えました。

     

    確かに、『他人の目』を意識しすぎるあまり、外観や言葉を飾ることばかりに執着するようではいけませんが、人は『他人の目』によって身を正し、己を律することができるものであることも確かです。

     

    また、『他人の目』を『他者からの期待』に置き換えれば、自らを成長させる機会ともなります。アメリカの心理学者・マズローによれば、人間の欲求には5段階あり、その中の「自己顕示の欲求」、すなわち

     

    □自分の評価を高めたい

    「地位を高めたい」「認められたい」「正しい評価を受けたい」「尊敬を受けたい」など

    □自尊心を満足させたい

    「自信を持ちたい」「何かを完成させたい」「能力を向上させたい」など

     

    といった欲求を適切に満たすことができれば、人は“自己実現”への道を歩んでいくことができる、と説いています。

     

    要するに、『他人の目』は受け止め方次第であり、『他人の目』に縛られず、適切に自己成長に結びつけることができれば、とても価値あるものであるということです。

     

    私自身、『他人の目』が気になったときは、「何を正し、何を律するべきか」「何を学び、どんな成長を果たしていくべきか」と自らに問い掛ける機会にしていきたいと思います。

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      継続

      • 2018.07.09 Monday
      • 09:00

      先週から、岡崎商工会議所様主催の「ひとづくり塾」が始まりました。早いもので、今年で13年目を迎えます。

       

      19名の受講生を迎えてのスタートとなりましたが、何よりも感慨深かったのは、過去の受講生のご子息が参加されたことです。遂に親子二代に亘る講座となったのです。昨年、会社に入られたばかりとのことですが、お父様から「いい講座だから行ってこい」と勧められたのだとか。嬉しい限りです。

       

      更に嬉しいことに「やっと参加させてもらうことができました!」とおっしゃっていただける方もいらっしゃいました。

       

      また、派遣企業の2/3は過去にも参加いただいている先で、かつ、その半数は社長自らも参加されていて、さらにその半数は、受講当時はまだ社長ではありませんでした。13年の時間の重みを感じます。

       

      「ひとづくり塾」は、セオリーを学ぶ場ですから、講座の内容の8割近くは第1期から変わっていません。結果としてそれが、“共通の言語”を持つという価値となり、継続して派遣いただく理由ともなっているのだと思います。

       

      一方で、私も13年間、何一つ変わっていない訳ではありませんから、お話しさせていただく内容は、多少なりとも進化していると思います。そのことに思い至るとき、OBの方々にも「もう一度聴いてもらいたい」と思うことがあります。

       

      以前私は、毎年同じ内容の研修に10年近く参加していたことがあります。そのときは正直「お付き合い」で参加していたのですが、振り返ってみると、同じ内容の講座を何度も聴くことによって、その中身の理解度が高まっていきますし、毎回感じるところが違っていて、今の自分の血肉になっている実感があり、今となっては本当に良かったと思います。

       

      今後は、同じ内容を同じ人に何度でも聴いていただけるような場を作っていきたいと思うと共に、私自身がもう一度、そのような場に参加し、自己研鑽していきたいと改めて感じました。

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        サービス

        • 2018.07.02 Monday
        • 09:00

        先週、ある会計事務所の会合に参加し、コンサルティング業務の取り組みで成果を上げていらっしゃる事務所の成果発表を聴いてきました。そのお話しの中から、一般企業でも参考になる内容をご紹介したいと思います。

         

        「単価が低い」「増収し難い」「生産性が上がらない」などといった、会計事務所に共通する課題を抱えておられたその事務所では、「サービス定義ができていない」ことが最大の原因と捉え、11件のお客様にどれくらいの時間が掛かっているかを調査した上で、「何に時間が掛かっているのか?」「自分たちのサービスとはどのようなものか?」などについて、職員一人ひとりにヒアリングをされたとのこと。「大変骨の折れる仕事だった」とのことでしたが、「人によって考えていることがまったく違っていた」ことが明らかになったのだそうです。

         

        そこで、サービス内容をメニュー化し、値付けを行い、お客様とサービス内容の認識にずれが出ないように、それまで行っていなかった見積書の発行をされるようになったのだとか。

         

        ところが、仕組みはできたものの、「自信がない」「お客様との関係を壊したくない」「本当にこんな金額を提示してもいいの?」などといった理由から、当初は旧来の体質をなかなか変えられなかったのだそうです。

         

        しかし、これらの理由は「対象がすべて自分」であり、お客様不在の考えであることに気付き、「社員さんが安心して働ける、働き続けたいと思えるいい会社をたくさん作りたい!」というサービスの目的・意義を再確認し、「だからやらなければいけない」という風土づくりをされてこられました。

         

        「定着するまで3年かかった」とのことでしたが、今では全員が自分たちのサービスに自信をもって提案できるようになったそうです。

         

        この事例を通じて、改めて皆さんに確認してもらいたいと感じたのが

         ー社のサービスの定義が社員全員に共有されているか?

         提供するサービスの内容が、お客様と共有されているか?

         そのサービスを提供する目的・意義は共有されているか?

        といった点です。意外に共有されていないことが多いのではないかと思うのです。少なくとも全員が自信をもって、淀みなく答えることができるとは、言い切れないのではないかと思います。

         

        これを機に、サービスに対する定義・目的・内容などを見詰め直し、社員さんおよびお客様とその共有化を図られては如何でしょうか?

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          • 2018.06.25 Monday
          • 09:49

          先日、「コミュニケーションの達人に育てる6つのポイント」というお題でセミナーの講師を務めさせていただきました。その際、受講生の方から、「嫌な客、鬱陶しい上司、言うことを聴かない部下に対しては、とても「コミュニケーションを取ろう!」という気持ちになれないのですが、どうしたらよいですか?」という質問を受けました。確かにその通りですよね。多くの受講生の前での質問で、とても素直で勇気のある方だと思いました。

           

          この質問に対して、私は

           

          「人は、縁のある人としか出会わない。それがたとえ“悪縁”であったとしても」

           

          とした上で、まず“四苦八苦”の解説をしました。“四苦八苦”とは、「生」「老」「病」「死」という4つの苦に、

           ・愛別離苦:愛する人と別れ、離れなければならない苦しみ

           ・怨憎会苦:怨み、憎む人と出会ってしまう苦しみ

           ・求不得苦:求めるものを得ることができない苦しみ

           ・五蘊盛苦:5つの欲望が盛んで、尽きることがない苦しみ

          を加えて八苦となります。

           

          さて、先の質問者を苦しめているのは、“怨憎会苦”です。そもそも“四苦八苦”は、人間である以上、逃れることができないものです。やはり、「悪縁であっても縁は縁」なのです。そこは肚を括らなければなりません。

           

          一方で、「いい人」ばかりに囲まれていたらどうでしょう。今の状況を変える必要などありませんから、今の自分を変える必要も、成長させる必要もありません。実は、思い通りにならない環境が、人に人間的成長をもたらすものなのです。よって、“悪縁”に出会ったら、「これで私は一層人間的に成長できる!」と喜ばなければなりません。そのような人と出会ったら、「ありがとうございます!」と深々と頭を下げるくらいでちょうどいいのです。

           

          但し、ただ喜んでいるだけではいけません。

           

          ・自分が変われば相手も変わる。

          ・常に原因は自分にないかと反省すること。

          ・常に相手に良い影響を与えること

          ・常に相手に思いやりを持つこと

          ・常に相手に迷惑を掛けないようにすること

          ・常に相手との信頼関係を確立すること

          ・常に相手に自分の意思を伝えること

          ・常に相手に感謝すること

          ・常に甘えの精神を捨てること

          ・常にけじめをつけること。

           

          これは私どもが毎朝唱和している『改善の前提』という当社社員の“行動指針”のようなものですが、まさにこのような心情で接することが大切です。

           

          質問をいただいた方は、「そうですよね、逃れられませんもんね・・・」と諦めの言葉を漏らしつつ、「覚悟が決まりました!」と笑顔で帰っていかれました。

           

          「“悪縁”こそ喜ぶ」素晴らしい人生を送るために必要な心情だと思います。

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            危機

            • 2018.06.18 Monday
            • 09:00

            先週の土曜日、元請会社のトラブルの影響を受け、1年ほど前から急速に業績が悪化したという会社の社長から相談を受けました。一時は売上高が前年比40%を下回るほど。現状は元請会社の配慮と自らの新規開拓などによって、何とか7080%程度までは回復されたものの、「人心離れ、意気地に落ちる」状態なのだとか。

             

            とても苦しい状況の中、考えられるあらゆる手段を講じ、大変な努力をされていることはひしひしと伝わってきました。一方で、言葉の端々に表れる社員さんに対する愚痴・ぼやき、またトラブルを起こした元請への怒りや恨みに、少々違和感を覚えました。そこで、「社長が大変な努力をされていることはよくわかりました。しかし、大切なことをお忘れになっているように思います」とした上で、2つのことをお伝えしました。

             

            まずは『恩の自覚』をすること。今は苦しいかも知れませんが、ここまで会社を発展させてくださったのは間違いなくその元請会社であり、その要求・要望に応え、会社を支えて下さった社員さんたちです。更には、この会社を創り、残してくださったご両親やご先祖様への恩は忘れてはいけません。

             

            特に、いのちの根元である両親やご先祖様に対しては、一層の『恩の自覚』が必要です。「お墓参りには行かれていますか?」とお尋ねすると、ここ数年行かれていないとのこと。少なくとも月1回はお墓参りをしていただくようにお伝えしました。

             

            『恩の自覚』ができれば、感謝と報恩の心が自然と生まれ、お世話になった方々へのご恩返しとしての「何とかしたい」という心が芽生えるものです。愚痴やぼやき、怒りや恨みというマイナスのパワーではなく、感謝・報恩、「人のために尽くしたい」というプラスのパワーでものごとを考えることが大切であるとお伝えしました。

             

            二つ目に、信念をもって語ることができる『言葉』をもつこと。お聴きすれば、社員さんに語られる最も多いフレーズは、「仕方がないじゃないか!」とのこと。これでは「人心離れ、意気地に落ちる」のは当然です。改めてその原因がご自身にあることを認識していただいた上で、「今の仕事の魅力は何か」「将来はどんな会社にしたいのか」などについて、まずはご自身の思いを明らかにしていただき、それを具体的な言葉として信念をもって伝え続けていくことが大切であるとお伝えしました。

             

            その後、個別事情に関する私なり考えをお伝えし、面談を終えたのですが、帰り際、「少し遠いので、足が遠のいていましたが、明日、お墓参りに行ってきます」と言っていただけました。ずっと“他責”にされていたことを、いきなり“自責”だと宣告されて、戸惑っておられる様子が伺われましたが、お墓参りによって、その戸惑いは消え去るのではないかと思います。後日の報告を楽しみに待ちたいと思います。

             

            この会社に限らず、危機的状況に陥ったときにこそ、『恩の自覚』と『信念の言葉』が必要なのだと思います。

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              きどう

              • 2018.06.11 Monday
              • 09:48

              先週から、開業4年未満の税理士さんを対象とした全5講の経営講座「きどう塾」が、東京・大阪・福岡でスタートしました。これまでに90名を超える卒業生を輩出し、今年で4期目を迎えます。

               

              「きどう塾」の名称は、スムーズにスタートアップ(起動)し、順調に軌道に乗せて、喜んで働いてもらいたい(喜働)という願いを込めて、命名させていただきました。

               

              今年は開業1年未満の方がほとんどで、まさに「きどう塾」の名に相応しい方々ばかり。年齢はさまざまですが、希望と不安の入り混じった緊張感の中で、スタートすることができました。

               

              第1講のテーマは「経営者論」で、特にお伝えしているのは、次の点です。

               

              ・税理士事務所も零細・中小企業。その強みは、小回りが利くとか、意思決定が速いなどと言われるが、最大の強みは大きなマーケットを必要としないこと。だからまず、自分が好きで、得意で、できることに集中する。

               

              ・「わが事務所は何を以てこの社会に貢献しようとするのか?」を常に明確にし、やってはいけないことをやらないこと。選ぶのではなく、捨てることが大切。

               

              ・開業時は、食っていくために嫌でも安くても請けてしまうことがある。しかしその仕事が、明日の足かせになってしまうことがあることを心得る。

               

              如何でしょうか。スタートアップ時点に限らず、中堅・中小企業経営においては大切な視点だと思います。

               

              講座終了後、ある方が「1週間の内1日はプレイヤーとしてはお休みし、経営者としての時間をきちんと設けたいと思います」と言ってくださいました。これもとても大切なことです。そのことに自ら気付いていただけたことを、とても嬉しく感じました。

               

              きどう塾では毎講座終了後に、他の手本となる先輩の開業税理士に1時間ほどお話をいただくのですが、今期は第1期で学んだ卒業生が登壇してくれることになりました。いつかは登壇者全員が卒業生で埋まるよう、精一杯サポートしていきたいと思います。

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                連携

                • 2018.06.04 Monday
                • 09:00

                昨日、「有松絞りまつり」に行ってきました。有松を訪ねるのは初めてで、とても有意義な一日となりました。

                 

                今年34回目を迎えるというこの祭り、絞りの体験教室や浴衣着付けコーナー、信長路史跡ツアーや甲冑体験などのイベントもあり、また日頃は非公開の建物の拝観もできることもあってか、とても多くの人でにぎわっていました。

                 

                私たちは、「有松まちづくりの会」と「有松あないびとの会」という会のメンバーの方が1時間20分かけて、ガイドブックには載っていない場所や説明をしてくださる「町並みツアー」というものに参加させていただきました。“有松愛”に溢れたガイドさんで、有松の歴史や今の魅力を熱く語ってくださいました。

                 

                石ころだらけで農耕に向かなかった貧困な土地で生まれた“絞り”産業、誰もが儲けを独り占めせず、町のために私財を投じたことで生まれた小京都ともいわれる“町並み”と豊かな“文化”など、有松の町の素晴らしさを痛感することができました。

                 

                その中でも特に心に残った話がありました。

                 

                有松には「五番蔵小路」という道があるとのこと。普通、どの絞り商家も蔵は4つしかないのだそうです。そうすると、あるはずのない五番蔵に通じる道がある、というのはおかしいですね。

                 

                これは、お客様がせっかくご来店いただいたにもかかわらず、自分のお店に好みのものがなかった場合に、「五番蔵行って探してきておくれ」となるそうです。そして五番蔵小路を通って向かうのは、隣の商家の裏口。すなわち五番目の蔵は、ライバル店を指すということです。こうして有松では、お互いに助け合いながら、共存共栄を図ってきたということなのです。

                 

                以前から私は、マーケットが縮小していく中で、他社との連携を深めていくことの大切さをお伝えしていますが、既にこの国にはそういう文化が根付いていたことを改めて知ることができ、とても嬉しく、温かい気持ちになりました。

                 

                他にもたくさん興味深いお話をお聴きすることができ、有松への関心がとても高まりました。特に、商家のご当主のお話をぜひお聴きしてみたいと強く感じました。ご縁のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介ください。

                 

                今回、残念ながら回り切れなかったガイドさんお薦めのお店もありました。近いうちにまた足を運んでみたいと思います。

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                  承継

                  • 2018.05.28 Monday
                  • 09:05

                  514日の「承継」で登場した現役社長のお父様を亡くした社員から、改めて相談を受けました。

                   

                  その内容は多岐に亘りましたが、一番の心配事は、典型的な創業者で親分肌であったお父様と、典型的な技術者で口数の少ない後継者のお兄様とのギャップでした。「社員の皆さんがついてきてくれるだろうか?」と。

                   

                  こうしたケースは多いものです。この悩みに対して、私は2つの提案をしました。

                   

                  ひとつは、四十九日が明けた頃に、お母様主催の社員さんをお招きした食事会を開くことです。生前お世話になったことを感謝すると共に、「後を継ぐ息子を宜しくお願いします」と頭を下げていただくのです。親分肌であった先代は、社員さんから信望が厚かったとのこと。その先代の奥様が望まれることであれば、決して無碍にはできないでしょう。それどころか、新社長を支えていこうという新たな覚悟が生まれるものと思います。私自身10年前、創業者の1周忌に奥様主催の食事会に招かれ、決意を新たにしたことを思い出します。

                   

                  もう一つは、環境整備です。親分肌の先代と、口数少ない後継者。このような場合、お父様と同じようにしようと思っても、追いつくことはとても難しいことです。同じ土俵での勝負は、戦う前から負けが決まっているようなものだと考えておいた方がよいでしょう。

                   

                  「寡黙で真面目」なお兄様には、言葉ではないものごとで社員さんへの思いを伝えていくことが最適です。一番わかりやすいのが職場の環境をよりよいものにしていくことです。それほどお金をかける必要はありません。それよりも、新社長自ら手足を動かすことで実現される方がよいでしょう。いずれにしろ、「社員さんが気持ちよく働いてもらえるように」との思いを込めて取り組まれることが大切です。

                   

                  これ以外にもいろいろなアドバイスをさせてもらいましたが、最後に彼から出た「伝えておけばよかったと思うことがあまりにも多いことに悔いが残ります」という言葉がとても心に残りました。当社著作の『事業承継対策の立て方・進め方』も、お父様のために買っていたにも関わらず、「頑固なオヤジは読んでくれないだろう」と渡すことができていなかったとのこと。「どれだけ伝えても後悔の念は拭えなかったと思いますが、もっと言えたことはあったはず」との言葉は、とても重いものに感じました。

                   

                  この言葉を聴きながら、対象者は誰ということなく、「伝えておけばよかった」と後悔しないようにしたいと強く思いました。「伝えないことで後悔はしないか?」常にこの言葉を自分に投げかけて、伝えるべきことをきちんと伝え切ることができるようにしたいと思います。

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                    変化

                    • 2018.05.21 Monday
                    • 09:00

                    先週は、嬉しいことと悲しいことがほぼ同時に起こりました。

                     

                    嬉しいこととは、6年前から事あるごとにご提案してきた内容が受け入れられたことです。「亀井さん、本当にお待たせしました」との言葉に、諦めずに提案をしてきた自分を褒めてあげたい気分になりました。

                     

                    提案においては、その都度先方の状況の変化を確認し、その変化にマッチした提案の仕方を心掛けていました。その上で、「何でも自前でやることの限界を感じ始めました。任せるところは任せる、そういう思いになったのも、亀井さんのおかげです」といっていただけて、より一層嬉しくなりました。

                     

                    その面談の最中に、一本のメールが届きました。システム利用に関する解約のお知らせでした。このお客様は数年前にご契約いただいて以来、そのお客様にマッチした内容をご提案しながら、システム導入を進めてきていたところでした。このところは安定したご利用をいただいており、正直なところ、青天の霹靂ともいえるお申し出でした。

                     

                    しかしよくよく思い起こしてみれば、最近はご訪問できておらず、調べてみたところ、直近の訪問は昨年の1月、既に1年以上ご訪問できておりませんでした。

                     

                    お客様の状況は刻一刻と変化していきます。表面的には何も変わっていないように見えても、その内実は常に変わり続けているのです。その当たり前の事実を見落としていた自分の甘さに、何とも情けない気分になってしまいました。

                     

                    残念ながら、解約の意思は固いようです。しかし、何とか面談の機会をいただくことができました。これまでお付き合いいただけたことに感謝の気持ちをお伝えすると共に、きちんとしたサポートができていなかったことをお詫びしてこようと思います。

                     

                    同時に起こった2つの出来事は、“変化への対応”という観点では、同質のものであると感じています。物事は常に“変化”している。この当たり前のことをどう捉え、どう活かし、どう対処すべきか、私自身、改めて考える機会にしたいと思います。

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                      著者 亀井英孝

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