理念

  • 2020.07.06 Monday
  • 09:00

先日ある会合で、経営理念の必要性に関する議論になりました。今回は、そこでのお話しの内容をご紹介したいと思います。

 

経営理念は、経営者の熱い思いと言っていいものです。よって経営者は、どんな理念をもってもよく、その理念に従って行動したとき、その経営者は“自分らしい経営”が実現できているといえるものです。

 

以前、企業再生・再建業務をメインでやっていた頃でも、私は経営理念の策定を最優先させていました。経営者からすれば、「何でこんなお金にならないものに時間をかけなければならないのか」と、疑問に感じられていたと思います。現に「こんなことを教えてもらうために金を払ってるんじゃない」とお叱りの言葉をいただいたこともありました。

 

それでも私は、「確かに、経営理念で飯を食うことはできません。でも、経営理念なくしてまともな経営はできません」と突っぱね、時間をかけて必要性をお伝えし、何とか策定していただくようにしていました。

 

今回の会合に参加していたその中の1社の方から、次のような言葉をいただきました。

 

「経営者の思いが、会社経営のパワーの源になっていること、実によく理解できます。特にご指導いただいていた当時の僕は危機感250%でしたからなおさらです。確かに今思うほど当時は理念、ビジョンの重さが理解できていなかったとは思いますが、いまだに当時の理念、ビジョンに惚れ込んでいるくらいです。おかげさまで、今こうしていられるのは、本当に理念、ビジョンの重さの証でしょう」

 

当時私が行ってきたことが間違いではなかったと、胸をなでおろしました。

 

思いが純化されればされるほど、思いは強くなっていきます。そしてその思いの強さが、思いの実現へと導いていくのです。その思いが最も純化された言葉が経営理念です。

 

私がコンサルタントとなって32年、一貫してお伝えしてきたのが経営理念の大切さです。バブル崩壊やリーマンショックなど、あらゆる危機的状況の中でも、明確な理念をもたれていた経営者は強かった。本当にそう思います。

 

コロナ禍の最中、改めて経営理念の重要性をご理解いただき、思いの純化を模索する機会にしていただければと思います。

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    写し鏡

    • 2020.06.29 Monday
    • 09:00

    先日行われた後継者会で、「考える社員」という話が出ました。「自ら考え行動できる社員と、そうでない社員の違いは何か」ということです。

     

    ひとりの後継者からは、失敗報告として、次のような話をしてくれました。

     

    「右腕候補として大学の後輩を入社させた。右腕として恥ずかしくない結果を出させるために何かとお膳立てをしていたが、結果を出せるようになってきた昨今、会社に対する不満を口にし、右腕どころか、雰囲気を悪くする存在になってしまっている。」

     

    一方、「弊社には、考えて行動してくれる人がいる。製造、営業それぞれに、指示されて動くのではなく、自らふさぎがちな現場を引っ張っていってくれている」との報告もありました。この違いは、どこから生まれてくるのでしょうか?

     

    これらの報告を受けてわたしは

     

     「社員は写し鏡である」

     

    とお伝えしました。前者の社員のおごりは、「お膳立てをしてやっている」というその後継者のおごりの写し鏡。後者の社員の行動は、仕事を楽しんでいる社長の写し鏡。

     

    本人にそのつもりはなくても、社員はとても優れた写し鏡で、何でもかんでもそのままに写してくれるものです。

     

    残念なことに、いいところはなかなか似てくれません。「弱いところ」「良くないところ」ほど似る傾向にあるのです。よって、人の上に立つ者は、常に自分自身を律し、社員の手本になるようにしなければならないのです。

     

    社員の行動を見、問題を感じたならば、日頃の自分のどんな言動が反映しているのかを明らかにした上で、自らの言動を改めて行かなければなりません。その繰り返しの中で、「自分が望む組織」が実現していくのです。特に、右腕にしたいと願う人材に対しては、なおさら背中を見せて倣わせるしか方法はありません。

     

    今のような状況下では、これまで隠れてしまっていたいろいろな問題が顕在化してくるものです。「その問題の原因を作っているのは自分」との認識をもち、根本的に自らの言動を見直す機会にしていっていただきたいと思います。

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      副業

      • 2020.06.22 Monday
      • 09:00

      先日、久しぶりにリアル開催された後継者会の会合で、“副業”の是非についての質問がありました。みなさんはどうお考えですか?

       

      もちろん、副業によって本業に支障を来すようではいけませんから、一定の歯止めは必要だとは思います。しかし私は、積極的とは言わないまでも、割と寛容な立場をとっています。

       

      そもそも規則で縛らなくても、今の仕事に誇りをもち、収入的にもしっかり満たされ、イキイキ・ワクワク・ドキドキ働けていれば、「他で働きたい」という気持ちは持たないはずです。

       

      問題は、「副業をしたい」というその動機です。

       

      もし、「お金がないから」が理由であれば、現在の給与水準を見直す必要があるかもしれません。もちろん、その人の個人的な事情によるものもあるでしょう。しかし、たとえばこのコロナ禍で残業ができなくなってしまった結果「食べられなくなった」ということであれば大問題。そもそも残業しないと生活できないレベルの給与しか支払われていないことを反省しなければなりません。これまでの残業代込みの給与が固定給として払えるようになるためにはどうしたらよいのかを、ゼロベースで検討する機会にしていただきたいと思います。

       

      一方で、「今の仕事を活かすためのスキルを身につけたい」ということであれば、喜ばしいことです。それが研修レベルでは身につかないようなものであれば、やはりそれを本業としている会社に修行に出た方が早いでしょう。そのような場合は、その気持ちそのものを嬉しく思うと共に、副業という範囲に留めずに、出向や派遣などの選択肢も検討されていいのではないかと思います。

       

      また、「社長の気持ちをもっと理解したい」と、起業レベルの副業を考えているとしたら、とても頼もしいですね。内容によっては企業内起業を考えてもいいかもしれません。

       

      いずれにしろ、副業の話が出てきたら、頭から否定するのではなく、その理由をきちんと確かめてみてください。その上で、ダメなものはダメ、反省すべきは反省し、サポートすることが好ましいのであれば必要な支援を実施する、そういう姿勢が大切なのだと思います。

       

      但し、特に個人的な事情である場合、ある人には許可を出し、他の人にはダメを出す、という矛盾が生じてはいけません。その辺の線引きは、一時の情に流されず、きちんとしておく必要があります。それもまた、自分の考えを整理する機会にしていただければと思います。

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        徳積み

        • 2020.06.15 Monday
        • 09:00

        以前、千年経営研究会総会の講師としてお招きした天明茂先生が、ブログをはじめられています。https://ameblo.jp/temmyo/

         

        先生からご案内いただき、第1回目から拝読させていただいていますが、その中で「徳積みゲーム」なるものがご紹介されています。

         

        これは「徳の高さを点数で表示できたらどんなに面白いだろうか」という発想に基づき、広瀬淡窓の「万善簿」(第8回)、袁了凡の「功過格」(第9回)などを参考にされ、ご自身の“徳”の発生・喪失・残高を一覧でわかるようにされた「徳積みゲーム表」(第11回)を作られているそうなのです。

         

        「おもしろそうだ」と感じた私は、早速オリジナル表の作成に着手し、天明先生のアドバイスをいただきながら、先日何とか完成させることができました。今回は、その内容を少しだけ紹介させていただきます。

         

        まず、天明先生が提示されている8つのテーマの内、自分が実践できそうな下記の6つのテーマに絞りました。

          

                 ≪徳(+)の要因≫  ≪不徳(−)の要因≫

         □生命   : 生命の尊重      生命の軽視・剥奪

         □資源   : 資源の節約      資源の浪費

         □社会   : 社会への貢献     社会への棄損

         □人間関係 : 人間関係の良化    人間関係の破壊

         □親・先祖 : 親・先祖への感謝   親・先祖の疎外

         □価値   : 価値の創造      価値の破壊

         

        その上で、第12回で紹介されているように、“生命”であれば、「虫を逃がす(+2点)」「虫を殺す(−2点)」、“社会”であれば「ボランティアする(1時間+1点)」「人の邪魔をする(−5点)」といったように、+−それぞれ30の細目をつくり、毎日点数を付けていく表を作りました。関心のある方は、お会いした時にお声掛けください。お見せします。

         

        これにより、毎日「徳(+)何点」「不徳(−)何点」「差し引き何点」と、毎日の徳の残高がわかるようになりました。

         

        残念ながら、三日坊主ならぬ一日坊主の私は、付けたり付けなかったりを繰り返して、満足に得点化することができていませんが、

         

         □自分がどんなことを大切にしたいと考えているかが整理された

         □これまで指摘はされていたにも関わらず失念してしまっていた大切なことを思い出すことができた

         □何かあったときにふと思い出し、行動を「起こす」「やめる」の判断がその場で瞬時にできるようになった

         

        といったメリットを感じています。点はつけてませんが、以前よりは確実に“徳”が積み上がっていると思います。

         

        やはり“あるべき姿”を明確にすることそのものが大切ですね。

         

        ゲームをやるかやらないかは別にして、自分が大切にしていることは何なのかを考えることは価値あることだと思います。みなさんも一度考えてみてはいかがでしょうか。

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          生存

          • 2020.06.08 Monday
          • 09:00

          先週に引き続き、後継者会でお話しした内容の中から、今回は「売上がゼロになったらどれだけ生き延びることができるか?」について考えてみたいと思います。今週も、直近の試算表をお手元にご用意ください。

           

          まず、次の勘定科目の残高を確かめてください。

           □現預金 □受取手形 □売掛金 □換金可能なその他流動資産(棚卸資産を除く)

           ■支払手形 ■買掛金 ■短期的に返済が必要なその他流動負債

           

          □の合計額から■の合計額を差し引いた金額が、売上高がゼロになった上で経営を継続していく中で手元に残る資金残高( 砲箸いΔ海箸砲覆蠅泙后

           

          次に、売上高がゼロになってもお金が出ていく月々の固定費の額と、借入金などの毎月返済額を合算した金額を明らかにします。これが毎月の現金減少額(◆砲任后

           

          最後に、,鬮△燃笋辰討澆討ださい。算出された数字が「売上がゼロになったときに、何か月生き延びることができるか?」その月数を表します。

           

          気を付けていただきたいのは、□に算入されている金額の中に、「回収不能な債権」が含まれていないか?ということです。特に売掛金や貸付金などは要注意です。これを機に、精査してみてください。

           

          さて、この月数は「何も策を講じなかったら・・・」の場合です。次に「できる限りの金策を図ったら・・・」を考えてみましょう。,龍盂曚法⊆,僚臠屬鵬短擦靴萄瞳彁擦靴討澆討ださい。

           

          まず、「借りるだけ借り増ししたら」を考えてみてください。ただし、借りるのは金融機関からのみで、かつ他人の連帯保証を付けることなく借りることができるものに限ります。なんだかんだいっても金融機関の目は確かです。「〇〇万円までです」と言われたら、それが今の会社の実力であり、金融機関の適正な評価と考えていいでしょう。

           

          次に、「不要不急な資産を処分したら」を考えましょう。ただし、今は不要でも、直ぐに必要になったり、再購入が難しいものは、安易に処分することはできません。不要不急度で3段階くらいにランク分けして考えるとよいでしょう。

           

          次に、「個人資金を投入したら」を考えます。

           

          個人資産の処分については、リーマンショックの時、ある方からお聴きしたお話をご紹介したいと思います。仮にAさんとしておきましょう。Aさんは知人から「お金を貸して欲しい」と頼まれた。それに対して「ご自宅は処分されたのですか?」と尋ねられた。「いいえ」の答えを聴いたAさんは、「自分の財産も処分しないで人さまの金を当てにするようでは経営者失格。そんな心掛けでうまく行くはずがない。お金は貸してあげるから、まず自宅を処分してからいらっしゃい」とお伝えになったのだとか。

           

          結果、その知人はお金を借りに来られることはなかった。その後、自宅を売ることもなくV字回復を遂げられたその方は、感謝の言葉を伝えに再びAさんの元に来られたのだそうです。いたく感動したことを思い出しました。

           

          最後に、「返済をストップすることはできないか」を考えます。人さまに借りたお金を返すのは人として当たり前のこと。それがどうしてもできないというならば、あらゆる手段を講じた後でなければなりません。だから「最後に」なのです。何事も、順番を間違えてはいけません。

           

          もちろん、すべて実行に移す必要はありませんが、もしそのような状況になったらどのような手段を講じることができるかを考えておかれることは大事なことだと思います。これを機に、一度検討されることをおすすめします。

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            非常時

            • 2020.06.01 Monday
            • 09:00

            先日、後継者会を初めてオンラインで行いました。その中で、リーマンショックの時によくお話ししていた内容を思い出しましたので、みなさんにも少しお裾分けしたいと思います。

             

            お題は、2つ。「今、会社を閉めたらどうなるか?」と「売上がゼロになったらどれだけ生き延びることができるか?」というものです。今回は、前者の説明をしましょう。試算表をご用意ください。

             

            貸借対照表の「純資産の部」、今はプラスになっていると思いますが、もし、今すぐに会社を手放さなければならないほどの非常時だったらどうなるか、次の視点で見直してみて、プラスのままでいられるか確認してみてください。

             

            まず「売掛金」。平時であれば問題なく回収できるものの、非常時となると「火事場泥棒」的に支払いを渋る人が出てきます。これは“感謝心”のバロメーターのようなもので、みなさんの会社がお客様から「ありがたい」と思われている存在であれば全額回収できますが、そうでないと「ざまぁみやがれ!」とばかり、難癖をつけては支払いを渋る輩が出てくるものなのです。また、そういう程度の人とばかり付き合っていると、その影響度は一層高まります。日頃のお付き合いを見詰め直してみましょう。

             

            次に「棚卸資産」。こちらは、商品力がなければ、「二束三文」「投げ売り」状態になってしまいます。コロナ禍の中でもそれほど影響がなかったような商品やサービスであれば、定価のままでも売り切ることができるでしょう。よって、このような視点においても、商品力は「日に新たなり」と高めていかなければならないのです。一方で、こちらもお客様から感謝される存在であれば、定価のままでも喜んで買っていただけるかもしれません。

             

            「仕掛品」が多いようであれば、さらに換金は難しいですね。日頃の生産性向上の取り組みが影響してくる点でもあります。

             

            「建物」は、もしかすると「壊して出てってくれ」と言われてしまうかもしれません。資産価値はマイナスになってしまいます。

             

            「土地」については、まず相場を確認してみましょう。高度経済成長前の土地であればかなりの利益が出るでしょうが、バブル期に買っているようなものであれば、大きなマイナスとなっている可能性があります。さらに、余程いい土地でなければ、相場価格では売れないと思っておいた方がよいでしょう。ひどい場合は「半値八掛け二割引」などといいます。非常時とは、そういうものだと認識しておいた方がよいでしょう。

             

            さてそのように「資産の部」を見直してみると、「負債の部」は「役員借入金」くらいしか減らせるものはありませんから、「純資産の部」がマイナスになることは、十分に考えられます。

             

            このとき、そのマイナス分を誰が補填するかと言えば、連帯保証人であるオーナー経営者に他なりません。「会社に何かあったときに、どれくらいの個人負担をしなければならないか?」を考えておいていただければと思います。

             

            後継者の方は、それだけ重いものを背負っている社長の思いを感じてもらえればと思います。後継者会でも、「社長と皆さんの根本的な違いはここにある。社長は、会社が飛んだらすべて飛ぶ。危機感のレベルが蟻と象ほどの違いがある。「わかれ」とは言わないが、頭には入れておいて欲しい」とお伝えました。

             

            このような視点で見直したものを『非常時貸借対照表』といいます。今回に限らず、少なくとも年に1回くらいは作成するようにしてみてください。

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              実践

              • 2020.05.25 Monday
              • 09:00

              先日、千年経営研究会のオンライン会にて、5月4日にご尊父を亡くされた会員のお話しをお聴きしました。5月1日に急に腹痛を訴えられ、彼自身が病院に連れていかれたところそのまま入院、そしてわずか3日後にお亡くなりになってしまったとのこと。あまりに突然のことで、「ほとんど話も聴けなかった」のだとか。

               

              しかし振り返ってみれば、昨年末に30年ぶりの家族旅行に行かれ、社内外の要職もすべて退任され、年賀状も「今年で最後にします」とされていたとのこと。「周りに迷惑をかけないよう、あらゆる準備をしていたみたい」と、その必然を受け入れておられました。

               

              また、コロナ禍で遠方にいたお孫さんも自宅に戻って来られていたようで、会社に人生を捧げてこられた晩年に家族団らんのときを過ごすことができ、「本当に幸せな人生だったと思います」とのこと。

               

              さらには、通夜・葬儀を近親者だけで執り行うことができ、「あんなこともあったね、こんなこともあったね」と懐かしく思い出す時間が十二分に取ることができたようです。ご本人からは十分聴けなかったものの「経営者として気づかされることも多かった」とのことでした。これもお父様から与えられたよい機会だったように思います。

               

              今はその内容も踏まえつつ、お父様がやって来られたこと、言っておられたことなどを思い出し、書き出しているとのこと。その上で、これまでできていなかったことを意識して実行されているとの話に、よい受け止められ方をされていると感じました。

               

              ただ、まだ15個程度とのことでしたので、いつもの通り「最低100個」と改めてお伝えしました。その上で、「同じ言葉であっても立場や人によって意味は異なる」として、「人として」「経営者として」「家族として」「友人として」など、その立場の違いによって自分がどのような態度・言動をすべきなのか、また「会社に対して」「仕事に対して」「お客様に対して」など、社員さんや周りの方々に期待する態度・言動はどのようなものなのかを展開して考えてみてはどうかとアドバイスさせていただきました。

               

              そして何より、その書き出した内容を実践することが大切であり、その実践こそがお父様が残してくれた一番の財産であるとお伝えしました。

               

              最後に、いろいろと話をお聴きするにつけ、本当に立派な“死に様”をなされた方だと感じます。“死に様”はその“生き様”を見事に表すものです。私自身も立派な“死に様”ができるよう、今日という日を立派に過ごしていきたいと感じました。

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                変化

                • 2020.05.18 Monday
                • 09:00

                当社では、4月10日(金)に愛知県独自で発令された緊急事態宣言を受け、翌週13日(月)からテレワーク、いわゆる在宅勤務を認め、ネットワーク全体での出社率削減に努めてきました。先週14日に国の指定は解除されたものの、当面はテレワーク容認を継続する予定です。

                 

                かくいう私も、研修・セミナーなどの講師の予定はすべて延期か中止、お客様との面談もオンライン会議システムを利用したものとなりましたので、会社機材を利用する必要がある日など以外は自宅で仕事をしており、出社は週に1〜2日程度になっています。

                 

                出張もなく飲みにも行かず、毎日三度の食事を自宅で取るという、結婚27年目にして初めての“普通の生活”に最初は戸惑いもあったものの、意外に仕事にも集中でき、快適かつ生産性の高い日々を送っています。

                 

                仕事に集中できる理由は、とりもなおさず「ちょっといいですか?」がないからです。目の前にいると気軽に聴けるものが、顔が見えないと「今連絡してもいいものか?」と躊躇するものですね。もちろん、重要なことであれば「遠慮なく連絡して」と伝えてありますが、それほど急ぎの用件は多くはないもののようです。

                 

                一方で、目の前で仕事をしてくれているときは、「何となくわかっている」つもりだったものが、目の前にいなくなった途端、不安な気持ちになることも事実です。

                 

                そこでまず、日報や業務報告書をより詳しく記載するように指示しています。実施してみると、多くの管理者が「目の前にいるときよりも、何をしているかわかるようになった」と口を揃えます。「把握でいていると錯覚していたことに気が付いた」というのが実際のところでしょう。

                 

                また、部署ごとに毎日オンラインにて朝礼と夕礼を実施しています。朝礼はこれまでも実施していたのですが、「知りたい」「聴きたい」欲求が極限まで高まっているからでしょうか、その中身がだいぶ濃いものになっているように感じます。少なくとも、日頃は朝礼や会議などで一言も話さなかった社員の声をよく聴くようになりました。とても良い傾向だと思います。この流れは、在宅勤務ではなくなっても続くものだと思います。

                 

                また、先日初めて千年経営研究会でオンライン会を実施したのですが、実に有意義な時間を過ごすことができました。もちろん、顔を合わせて話をするのに越したことはないのですが、「意外に悪くない」というのが本音です。特に、一人ひとりの話をじっくり聴くのには、オンラインの方が集中できてよいのではないかと感じました。

                 

                いずれにしろ、強制的に「させられた」ことではありましたが、おかげさまでいろいろと有効な手段もあることがわかってきました。これからはより一層、過去の常識にとらわれることなく、変化をうまく受け止めて、より効果的・効率的な組織運営方法を見出していきたいと思います。

                 

                もちろん、テレワークが馴染まない業種の方もいらっしゃると思います。これはあくまでも一例に過ぎません。現状を前向きに捉え、これまで着手していなかったこと、食わず嫌いで避けてきたことなどにトライしてみてはいかがでしょうか。他で成果が出ていることは、間違いなく新たな気付きを得る機会になると思います。「テレワークなんて」と否定的だった私からの提言です。

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                  愚痴

                  • 2020.05.11 Monday
                  • 09:00

                  今週も、先日の後継者会でのお話をひとつ。今回の相談は、「社長に対する愚痴や批判を口汚く言ってくる社員がいるが、どう対処したらよいか?」という内容でした。

                   

                  その社員は、仕事はできるそうなのですが、そのような言動によって周りに悪い影響を与えてしまっているのだとか。「後継者の立場として社長のフォローをすべきだとはわかっているが、そうすると今後何も言ってくれなくなってしまうのではないか」と危惧されているのだそうです。

                   

                  みなさんが同じ立場なら、どうされますか?

                   

                  この相談に対して、オブザーバーで参加していた現社長のHさんが、次のような話をしてくれました。

                   

                  「私も同じ経験がある。どちらかというと私は不満を持つ勢力と一緒になって社長と闘っていた。ただ結論から言うと、不満で繋がっていた社員は全員辞めた。一方で、目先の問題だけではなく、一緒になって未来の話をしていた社員は幹部になった。」

                   

                  これがこの問題の本質ではないかと思います。

                   

                  私は基本的に「嫌なら辞めればいい」と思ってます。会社が社員の首を切ることはなかなかできませんが、社員は辞表一枚で辞められるという最大の権利を持っているのですから・・・

                   

                  ただし、話しはじっくりと聴きます。彼の心を癒すためでも媚へつらうためでもなく、彼の不平・不満、愚痴・ボヤキ、要求・要望の中に、会社をよくするためのヒントが隠れているかもしれないからです。

                   

                  ここはクレーム対応と同じなのですが、まずはしっかりと聴き切ることが大切です。その内容を棚卸して、今後の経営に活かせるもの、彼の見方に誤認があるもの、彼自身に変わってもらわなければならないことを整理し、その内容をきちんと伝えた上で、最後に「いろいろ教えてくれてありがとう」で締める。ここまでやって同じことを繰り返すようなら、辞めてもらえばいい、そう思うのです。

                   

                  愚痴や批判レベルの話では社長に話すのは気が引けるでしょうが、ここまでやっておけば、自分の中に留めておく必要もないでしょう。

                   

                  社長に対しては、「こんな話が出たので、こう対処しておきました」で良いでしょう。「すべてを報告している」という参加者の中に「内容によっては社長の解釈を知ることもできる」との話がありましたが、その通りだと思います。そこにまた、大きな学びや気付きがあるものなのです。

                   

                  もしかすると「社長に言えない」のは、自分自身が同じように思っているからかもしれません。それこそ大問題との認識が必要ですね。

                   

                  一方で、声のでかい人間というものは、善い方向に向けば力強い味方になることもあるものです。ぜひ、「徹底して耳を傾ける」姿勢で、強力なパートナーを見出していっていただければと思います。

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                    創業

                    • 2020.04.27 Monday
                    • 09:00

                    本日は、少し前に開催した後継者会で出たお話しをご紹介させていただこうと思います。

                     

                    ある参加者が、アメリカへの進出・展開に取り組まれています。昨年5月から現地法人の代表となり、意思決定のすべてを一任されているとのこと。

                     

                    ところが、コロナ禍により計画が大きく狂ってしまった。売上が立たない中で、家賃や人件費は否応なく出ていく。資金繰りがどんどん悪化していく。いろいろと手を打たなければいけないが、かといって妙手があるわけではない。そんな日々の中で、順調だったころは感じていなかった「決めること」に対する“ストレス”を感じ始めたのだとか。

                     

                    「決めること」に対する“ストレス”を感じること、これは後継者にとってとても貴重な体験だと思います。決められない社長に文句を言っていれば済んでしまう後継者には滅多に味わうことができない、とても有難いシチュエーションなのです。

                     

                    それに、後継者の場合は命までは取られるわけではありません。経営者の場合は、連帯保証人としての責任と心労から命を落とされることもある。ここに経営者と後継者の本質的な違いがあります。彼には大いに“ストレス”を楽しんでもらいたいと思います。

                     

                    世に、『後継創業者』と言われる人がいます。要するに、後継者でありながら、創業者のような風格を持っていらっしゃる方です。彼らに共通しているのは、創業者や先代たちが創り上げてきてくださったものを守り、育てていくだけではなく、自らの意思と意欲で新たな“業”を立ち上げてきた、という点にあります。そしてその新規事業が単に「新しいことに取り組んだ」程度のものではなく、全社的な事業の柱にまで育てられてきたことが重要です。まさに「新しい事業を創った人」なのです。

                     

                    仮に、事業の柱にまでは育てることはできなかったとしても、そのような取り組みをしていくことそのものが重要です。

                     

                    今回のコロナ禍は、どうも「収まったら元に戻る」ようには思えません。それがどのようなものなのか、今ははっきりとは見えていませんが、全く新しい世界が待っているような気がしてならないのです。

                     

                    この閉塞感に満ち満ちた今、ぜひいろいろなアイディアを具現化する時間をお持ちいただきたいと思います。その一つの方向性が新規事業であり、それが後継者育成にも活かせることができるようであれば、とても素晴らしいことです。

                     

                    後継者の方には、このような時期だからこそ新規事業にチャレンジされることをおすすめ致します。命までは取られませんから。

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                      著者 亀井英孝

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