式典

  • 2019.05.27 Monday
  • 16:53

昨日、豊田市北倫理法人会の設立10周年記念式典に参加してきました。

 

当会は、2009(平成21)3月に、当時200社を超える会員がいた豊田市倫理法人会を、それぞれ70社くらいずつ「中央」「北」「南」の3つに分けてのスタートでした。100社にならないと“正”として認められないというルールがありますので、「北」と「南」は“準”倫理法人会でのスタートとなりました。100社ずつ2つに分ければ、最初から“正”として活動できたものを、わざわざ3つに分けられ、「30社足りない!」状況からのスタートにされたのです。

 

皆さんの会社においても、同じような意思決定を迫られることはありませんか?そのとき、「苦難の道を選ぶ」ことができるかどうかを考えていただければ、どれほど凄い決断だったか、ご理解いただけるのではないかと思います。

 

そして、なんと同年8月には“正”に昇格されていますから、そのパワーがまた凄い!私が初回のモーニングセミナーの講話者を務めさせていただき、続けて「経営と倫理」をテーマとした全12回のシリーズ講話をさせてもらったこともあり、この短期間での達成に、とても嬉しかったことを思い出します。

 

2009年といえば、リーマンショックの翌年で、無駄なコストは徹底的に削減されることが当たり前の状況の中で会員を増やされたことは、数倍の価値があるものではなかったかと思います。

 

そして10年経ち、その節目の年にまたシリーズ講話を任せていただいている最中での10周年記念式典でしたので、喜びもひとしおでした。

 

このような式典は、これまでの歴史を振り返り、いただいてきた“恩”を再確認して感謝の気持ちをお伝えする場です。また日常の中でともすると忘れかけてしまう物事の原点に立ち返る機会でもあります。更には、明日に向けての決意を新たにする。皆さんの会社でも大切にしていただきたいと思います。

 

豊田市北倫理法人会モーニングセミナーでの私の登壇は、もうしばらく続きます。次回は72日です。ぜひお運びください。お待ちしております。

 

最後に、式典のご準備ならびに運営をいただいた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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    利他

    • 2019.05.20 Monday
    • 09:00

    私の好きな光景のひとつに、緊急車両が通過する際、走行する車が左右に寄って道を開ける、あのシーンがあります。救急車に乗っておられる方や、火災に見舞われてしまった方に対しては甚だ不謹慎かとは思いますが、日本人の心の美しさを表す姿のように思えるのです。

     

    先日、1日に3回もその光景に遭遇し、心が癒される思いでした。しかし、最後の1台については、少し悲しい気分にもなりました。

     

    救急車が赤信号を通過しようとしていたのですが、走行車線の車は少しずつ左右に分かれていき、スムーズに交差点に進入することができました。そこまでは、その映像に神々しさを覚えると共に、その一員になれたことに誇りさえ感じることができていました。

     

    しかし、よほど急いでいたのか、また車内が大音量でサイレンが聴こえなかったのか、横切る青信号側の4〜5台の車が、何食わぬ顔をして通り過ぎて行ったのです。その間、救急車は足止めされてしまいました。

     

    その時間は、わずか何秒の世界です。しかし、交差点のたびにこのような状況になれば、助かるはずの命が奪われてしまう可能性は否定できません。私は彼らに問いたい。「その救急車に乗っているのが自分の親族だったらどうするのか?」「今その消防車が向かっている先が自宅だったらどうするのか?」と・・・

     

    彼らが横目で緊急車両の存在に気付き、申し訳なさを感じてくれていればまだよいのですが、「自分さえよければよい」「今さえよければよい」といった考えで意図して行っているのであれば、とても悲しいことです。

     

    翻って、日頃の仕事の中でも、支援や協力を求められることがあります。しかし、自分には自分の仕事があります。手伝えばそれだけ労力が増え、帰る時間が遅くなります。そんなとき、あなたはどんな意思決定をしますか?

     

    好ましい風土をもつ組織の特徴の一つとして、「組織構成員が、相互に協力の意思と意欲をもっていること」が挙げられます。もちろん、気持ちだけではだめで、具体的な実践を伴っていることが必要です。実際に、素晴らしい組織風土の会社では、自然に、そして頻繁にそのような光景を目にすることができます。はたから見ていても、とても気持ちのよいものです。

     

    「もし私の子供だったら」「もし私の親兄弟だったら」「もし私の大切な人だったら」

     

    何事に対しても、そのような気持ちで対応していくことが必要ではないかと思います。

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      資産

      • 2019.05.13 Monday
      • 08:50

      先週、10数年ぶりに名古屋港水族館に行ってきました。「水族館は子供連れが行くところ」といった先入観が何となくあったため、子供たちが中学に上がったころからは、行楽地の候補にも挙がっていなかったのですが、「久しぶりに行ってみたい」という成人した家の女子たちの声に背中を押されて、久しぶりに尋ねることになりました。

      http://www.nagoyaaqua.jp/

       

      結果は、「実に楽しかった!」でした。

       

      イルカのパフォーマンス、シャチやベルーガの公開トレーニング、マイワシのトルネード、ペンギンやウミガメなどの餌付けなど、実に多くのイベントが開催されていて、7時間、全く飽きることなく楽しむことができました。

       

      特にイルカのパフォーマンスやシャチの公開トレーニングなどは、これまで十回近く見ているはずなのですが、何度見ても心が躍ります。

       

      実は、今年に入って、岡崎、瀬戸、半田など、これまで仕事でしか伺っていなかったところに、観光目的で訪問するようにしているのですが、どこへ行っても「こんな場所があったんだ」と、新たな発見と感動をいただいています。

       

      ときに、「お客様が来ても連れて行くところがない」と言われる東海地方ですが、「決してそんなことはない」と痛感します。あまりに近すぎて、目に入っていないだけなんだろうと思います。

       

      翻って社内を眺めてみたとき、同じようなことになってはいないかと、その機会損失の大きさに、危機感を覚え始めてもいます。

       

      「自社の経営資源の価値をきちんと認識し、十分に生かし切っているといえるだろうか?」

       

      いろんなところにお邪魔するたびに、そんな疑問が頭をもたげてくるのです。一方で、そのような疑問を感じることができた結果、いくつかの“埋蔵品”の発掘ができました。そして、「結構、眠らせてしまっている資源があるものだ」と感じています。

       

      これらの取り組みは一時的に行うものではなく、継続的に行っていくものだと思います。その時々の状況や抱える課題などによって、気付くところが違うからです。

       

      よって常に「眠らせてしまっている資産はないか?」との疑問を持ちながら仕事をすることが大切なのだと思います。みなさんもぜひ、そのような視点をもって、日々を過ごしていただければと思います。

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        マニュアル

        • 2019.04.22 Monday
        • 09:00

        先週から、生産性向上に関わるセミナーの講師を務めています。その中で、「好ましいマニュアルの作り方」というお話しをさせていただいていますが、結構評判がよいので、この場で少しご紹介させていただこうと思います。

         

        “マニュアル”を否定的に捉えられる方がいらっしゃいます。それは、個性がなくなるとか、臨機応変の対応が阻害される、といった理由であるようです。しかし、私はそうは思いません。「マニュアル」によって標準化された行動の上に、その人の個性なり、臨機応変な対応をオンすればよいのです。“働き方改革”によってどんどん「働けなくなる」時代に、標準化された効果的・効率的な行動がベースにあるかないかは、非常に重要かつ大きな違いが生じることになると思います。

         

        一方で、「マニュアルを作っても使えない」との声も聴かれます。その理由は、おおむね次のような内容であるようです。

         

        □ひとつのゴール(業務の終わりの姿)に対して、複数の方法が提示されていて、どの方法でやったらよいかがわからない。

        □専門用語を理解していることが前提となっていて、知識がないと使えない。

        □文字情報によって構成されていて、理解をするのに時間がかかる。

         

        結果として、「知っている人に聴いた方が早い」となってしまっては、本末転倒です。せっかくマニュアルがあるのにも関わらず、聴かれることによって自分の仕事の時間を奪われるわけです。何とももったいない話ですね。

         

        では、これらの問題を解消するためにはどうしたらよいのでしょうか?ポイントは、次の4点です。

         

        ,劼箸弔離粥璽襪紡个靴董∈任盡果的・効率的な方法を抜粋する(複数の方法を認めない)

        ⊇蕕瓩討凌佑やってもできる状態にするため、極力文字を減らし、画像を多用する。

        初めてやる人が指示を受けながら作る。

        ぅ泪縫絅▲襪亡陲鼎い銅損椶掘△錣らないところを聴きながらメンテナンスしていく。

         

        △砲弔い討蓮◆屬錣らないまま仕事をする」ことに対して疑問を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも大丈夫です。人間には“知的欲求”というものがあります。「知りたい」という欲求です。

         

        訳も分からずに仕事をしていると、「何でこんなことするんだろう?」「これはどういう意味なんだろう?」という疑問が生じます。そしてその疑問がどんどん膨らんでいき、「どうしても知りたい!」という強い願望に変化します。そのとき初めて人間は心から「教えてください!」という気持ちになるものです。

         

        その感情が芽生えたとき、乾いたスポンジが水をスーッと吸い込むように、人は知識を吸収していきます。これから何をやるかわからない状態で知識を与えても、「何をするんだろう」という意識に満たされたコップの中に、さらに水を入れようとするようなものです。

         

        「知りたい!知りたい!知り尽くしたい!」という“知的欲求”を引き釣り出すようなマニュアルを、ぜひ作っていただきたいと思います。

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          教育

          • 2019.04.15 Monday
          • 12:01

          先日、新入社員研修の一環として実施している「インターシップ企画コンテスト」の発表会に参加しました。

           

          当社では、大卒の採用活動でインターンシップを実施しているのですが、長年続けてくるとどうしてもマンネリ化してきますし、既存社員の発想では、今の学生が何を求め、何を重視しているのかが、だんだんわからなくなってくるものです。そこで、就職活動を終えたばかりの新入社員に、どのような企画であれば学生に関心を持ってもらえるかを考えてもらうと考えた訳です。

           

          それもただ単に意見を聴くというのではなく、主体的に責任感をもって考えてもらおうということで、複数のチームに分かれ、コンテスト形式で昨年から実施しています。

           

          私は初めて参加させてもらいましたが、やはり「その人に聴く」ことが何より大切であると痛感しました。要するに自分とは立場も、経験も、置かれている状況も違う人の考えは、「聴かないとわからない」ということです。特に娘の年代の子たちが何を求め、何を重視しているかなど、想像すらできないのは、当然と言えば当然のことでした。

           

          一方で、イキイキと発表の場に臨む新入社員をみていると、やはり「場と役割を与えることが会社の務め」であると感じます。「育たない」と嘆くのではなく、「育つ場と役割をどう与えるか」を真剣に考えなければならないと思うのです。人は、適切な場と役割さえ与えられれば、その個性を活かしながらすくすくと育っていくものだと思います。その責務を、改めて感じることができました。

           

          いずれにしろ、今回の企画を通じて、「耳を傾ける」ことと「場と役割を与える」ことの重要性を再認識させていただきました。今後の社員教育を考える視点として、大切にしていきたいと思います。

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            採用

            • 2019.04.08 Monday
            • 08:49

            41日、今年は36名の新入社員を迎え、入社式を執り行いました。その後、毎年「オリエンテーション」と称して、私が「人生とは」「仕事とは」「会社とは」などをテーマにして2時間弱の講義を行っています。今回は、その内容についてご紹介したいと思います。

             

            簡単な会社の概要説明の後、私は次の「3つの約束」を宣言します。

             

            1.出る杭は伸ばす

             だから、どんどん提案したり、取り組みに対して手を挙げたりして欲しい。もちろん、時期を待つべき内容もあるので、今すぐとは断言できないが、必ずその意欲には応えていく。逆にまな板の上の鯉は要らない。「言われたことは何でもやります!」ならいいが、「言われたことしかやりません」ならば、今すぐ辞めた方がいい。

             

            2.疑問には徹底的に答える

             疑問・質問があったら、気軽に、どんどん声を掛けて欲しい。創業者・佐藤澄男は常々「CS(顧客満足)よりもES(従業員満足)が先」と言っていた。そしてそのように私たちに接してくれた。だから私たちも自然にそれができる。それが当社の文化だ。逆に、たくさんの疑問をもてるようになって欲しい。まずは何に対しても好奇心をもつこと。好奇心をもてば、自然に疑問は生まれるものだ。

             

            3.新しい仕事を創る続ける

             人がやる気を失う最大の要因は「マンネリ」にある。一方で、人が意欲を高めることができる要因の一つに「新しい取り組み」がある。時代が変われば、お客様のニーズも変わる。お客様のニーズに対応するためにも、社員のやる気を出し続けるためにも、私たちは新しい仕事を創り続ける。

             

            その上で、「皆さんの個性や能力などに応じた最適な仕事を与えていく。だから皆さんも、「これが天職、私の天職」だと信じ切って、目の前の仕事に全力投球してください」と結びます。

             

            参考にしていただけるようでしたら幸いです。

             

            採用とは、ひとりの人間の人生を受け止める約束をすることです。一方で、共に目的・目標に向けて取り組んでいく仲間になる約束をしてもらうことでもあります。会社からの約束と、約束して欲しいことをきちんと明示し、お互いが成長し続けていくことができるようにしていきましょう。

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              仲間

              • 2019.04.01 Monday
              • 09:00

              先週の土曜日、千年経営研究会の総会が行われました。参加された皆さん、お疲れさまでした。

               

              そこで改めて大切なことだと実感したことがありました。それは“仲間”の存在です。

               

              私たちは、創業者、後継者、またはその人たちを支える者としての使命をもって、この世に生まれてきました。その使命を全うしなければなりません。

               

              しかし世の中は、順風満帆とはいきません。ときどきに苦難・困難が待ち受けています。本来であれば、その使命を全うするためにそれらの壁を乗り越えていかなければなりませんが、人間は弱いものです。そこから逃げ出したくなってしまうことも多々あります。

               

              そんなとき、その壁に立ち向かおうとする“私”の背中を押し、逃げ出したくなる“私”に厳しくも暖かい声を掛けてくれる存在、それが同じ使命をもった“仲間”です。

               

              私たち千年経営研究会のメンバーは、創業者、後継者、またはその人たちを支える者として、共通の使命をもって生まれてきました。まさに、真の“仲間”といえます。そういう“仲間”をもてたことは、何よりも幸せなことです。そのことを、まずきちんと受け止めなければなりません。

               

              総会では、各会の会長が、来期の方針を熱く語っていただきました。その中でも、さらなる“仲間”つくりをしていくことを誓ってくれました。同じ使命をもった“仲間”が増えていくことをとても嬉しく思います。

               

              しかし、どんなに“仲間”がいたとしても、触れ合わなければ、その価値がありません。ぜひこれを機に、各会の活動に積極的に参加し、真の“仲間”作りをしていっていただければと思います。

               

              そしてまた来年、その成果を喜びの中でお話しいただければと思います。

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                採用

                • 2019.03.25 Monday
                • 09:00

                20204月入社の採用活動が解禁になりました。当社でも会社説明会が始まり、私も会社代表として話をしています。

                 

                ここ数年は“売り手市場”と言われ、当社もかなり厳しい活動になっていますが、実際に学生に会ってみると、彼らから楽観的なものは感じません。私が担当する東京・大阪会場では説明会の最後に“座談会”を設けているのですが、一部の学生からは悲壮感さえ漂っています。

                 

                いくつかの理由はあるのでしょうが、『就職』活動、というよりも『会社選び』活動が早期化・長期化し、かつ採用サイトやマスメディアなどから「みんなもう動いているよ」「早くしないと乗り遅れるよ」などと危機感を煽られた結果、“働く覚悟”が決まらないままに『会社選び』をしなければならなくなっていることの弊害が出ているように思います。

                 

                また、「他に質問はないですか?」との問い掛けに首を横に振りながら、アンケートの質問欄には「もっと〇〇について聴きたかった」と書く学生が多くいて、「本当に自分のこととして考えているのか?」とその姿勢に疑問符が・・・。その点、一概に外部の責任とは言えないとも感じます。この傾向はリーマンショック以降から感じ始めたことであり、それ以降に就職活動を始めた若手に共通することかもしれません。

                 

                一方で、「人生とは」とか「働くとは」などという話に目を輝かせる学生が多いことが印象的でした。学生生活の中でも、就職活動の中でも、そのような話を聴く機会がないのだと思います。

                 

                私は彼らに、「職で選ぶな」「会社で選ぶな」と伝えています。職も会社もなくなってしまう可能性があるからです。その上で、「人で選べ」と話します。「この人と一緒に仕事がしたい」「この人の下で仕事をしたい」「この人みたいになりたい」といった人がいる会社を選びなさいと・・・。

                 

                私たち中堅・中小企業においては、新卒採用に限らず、会社の規模や労働条件ではなかなか勝負できないのが現実です。しかし、「人生を語る」ことはできます。「人の魅力」で負けているわけではありません。

                 

                求職者と出会う機会があったら、採用する側とされる側というスタンスではなく、千年経営研究会で学んでいることをいかんなく発揮して、まずは“人”としての関係づくりを行い、「自分の魅力で採用するんだ!」という気概をもって臨んでいただきたいと思います。

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                  理想

                  • 2019.03.18 Monday
                  • 09:00

                  これまでも何度かお話ししてきましたが、私は今、会計事務所様向けの生産性向上のお手伝いをさせていただいています。

                   

                  先日、ある事務所の20数名の職員さんに、会計事務所における生産性向上のポイントについて2時間ほどお話をさせていただきました。終了後、「亀井さんの話の中には、“ムダ”という言葉が一切出てきませんでした。それはなぜですか?」という質問がありました。周りの方も大きく頷かれています。実は私自身、特に意識をしていなかったことでしたし、これまで受けたことがなかった質問だったので、少々戸惑いを感じました。

                   

                  後からお聴きした話なのですが、その事務所では前職で他の会計事務所にお勤めになっていた方の中途採用がほとんどで、その仕事のやり方の違いから、お互いを批判するような風潮があったとのこと。結果として、生産性向上といえば、互いの仕事の仕方の“ムダ”を見つけて指摘する、という感じだったのだとか。ところが私の話からは“ムダ”という言葉が出てこない。よほど違和感を覚えられたのだと思います。

                   

                  私は次のようにお答えしました。

                   

                  「生産性向上を図っていくにあたって最も大切なことは、“あるべき姿”を明確にし、それに向けて何をすべきかを考え、実践すること」

                  「お互いのやり方が違っているのは、どちらかのやり方が間違っているのではなく、その場そのときに最適な方法がとられていたものが、時代の変遷や状況の変化によってベストなやり方ではなくなっているだけ」

                  「ひとつの業務に対するお互いのやり方を棚卸し、各自の共通する部分と相違する部分を区分した上で、相違する部分は今の事務所にとってどのやり方がもっとも効果的・効率的かを考え、共通する部分はもっと効果的・効率的な方法はないかを検討する」

                  「そのような取り組みを通じて、事務所としてもっとも効果的・効率的だと思われる方法にブラッシュアップしていくことが大切」

                   

                  戸惑いつつも、ご納得いただけたようです。さらに、先の質問が出たときに一瞬場が凍り付いたような感じがしましたが、その後は憑き物が落ちたように、穏やかな雰囲気になりました。その事務所にとっては、喉に刺さった小骨のようなやっかいな問題だったのかもしれません。

                   

                  現実をみれば変えなければならないことは山積みです。しかし、それを他人のせいにしていては、解決するどころかより一層悪化の一途を辿ってしまうものです。そのような状況になってしまったら、まず“あるべき姿”に目を向け、目指すべき“理想”を共有することが大切なのだと思います。

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                    後継

                    • 2019.03.11 Monday
                    • 09:00

                    先週、岡崎商工会議所様主催の「ひとづくり塾」で修了式が行われました。経営者、リーダーシップ、マーケティング、マネジメント、人事、生産性などのあるべき姿を9か月間に亘って学んでいただいた総仕上げです。

                     

                    修了式では毎回、これまで学んでいただいたことを今後にどう活かすかを宣言する『決意表明』をしていただくのですが、その中で「社長になります!」と力強く宣言された方がいらっしゃいました。

                     

                    彼は、親族でもなく、まだ役職もない、入社12年目の中途社員です。ひとづくり塾に参加させるほどですから、会社からはそれなりの期待はされていたのでしょうが、派遣しようと思われたときには、そこまでの期待はされていなかったのだろうと思います。

                     

                    彼は開講以来、現場に対して無関心に映る社長と専務に対して、「俺がこんなにやっているのに!」といったような不満を抱えていたようでした。そして、「ひとづくり塾」で「経営者とはどうあるべきか?」「経営とは何か?」などを学ぶ中で、より一層、経営陣に対する不満を高めていったようです。

                     

                    しかし、最終講を迎えるにあたって、「ひとづくり塾」で学んだこと、そして学んだことを実践してきたことを振り返る中で、企業経営の大変さ、難しさを改めて身に染みはじめ、それを担っている経営陣の、自分では計り知れない苦労というものを慮り、ただただ文句を言っていただけの自分を深く反省したのだそうです。そして、その状況を打開するためには「自分が経営者になるしかない!」と思い至ったとのこと。そういう思考には、なかなかなるものではありませんね。

                     

                    さらに彼の偉いところは、「社長になる」宣言をした後に、「俺を育ててください」と加えたところです。宣言を受けた社長と専務は面食らったそうですが、その後は、まさに「経営者として育てる」意識での接し方に大変革されたとのこと。お二人とも、心のどこかで期待されていたのかもしれません。

                     

                    この事例で大切なことは2つあります。一つは、「自ら社長になることを決意した」ことです。やはり、心を定めた人間は強い。

                     

                    もう一つは、「素直に学ぼうとする心をもった」ことです。それまでの彼であれば、自分自身で力をつけた上で経営陣の足りないところをあげつらい、強引に譲らせようと画策していたかもしれません。

                     

                    しかし、「経営とはいかなるものか?」「経営者のあるべき姿」などを学んだ結果、自分に足りないものを素直に認め、学ぼうとする姿勢が醸成された。それが一番大事なことだと思います。

                     

                    これから会社を継ぐ立場にある人には、この事例から、後継者としてのあるべき姿勢を学んでいただきたいと思います。

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                      著者 亀井英孝

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