因果

  • 2019.07.16 Tuesday
  • 09:00

先日、月刊誌「致知」を読んでいたところ、今話題の渋沢栄一氏の孫・鮫島澄子さんと国際文学療法学会会長の鈴木秀子さんの対談記事の中で、目から鱗の話を見つけました。

 

それは鮫島さんがオレオレ詐欺にあわれたときのこと。かなりの大金を取られてしまったにも関わらず、「ああ、私はきっと過去世で、いただいてはいけないものをいただいたのを、いま帳消しにしていただいたんだ」と思われたとのこと。

 

この一文を目にしたとき、「ああ、これが“自業自得”の正しい捉え方だ」と感じました。その上で、「何か説明のつかないことが起こったときにはこう考えればいいんだ」と、すっきりした気持ちになりました。

 

ほぼ同時に見つけた記事に、「行いによって報いを受ける時期」には、次の4段階あると書かれていました。

 

順現業:この世で報いを受ける

順次業:来世で報いを受ける

順後業:来々世で報いを受ける

不定業:報われる時が定まっていない

 

“報い”とは、何も悪いことばかりではありません。「善因楽果」「悪因苦果」と言いますから、善いことをした報いもまた同様です。善いことも悪いことも“自業自得”なのですから・・・

 

ということは、現在起こっていることの原因は、鮫島さんがおっしゃる通り、過去世にあるかもしれないということです。「順現業」であれば原因ははっきりしていますから、「ああ、あれか」と納得できますし、悪いことであれば反省し、善いことであれば「またやろう!」とモチベーションが高まります。しかし、過去世に原因があるとしたら、もうどうしようもありませんね。だからこそ、鮫島さんのような姿勢が大事なのだと思います。何より、そこには苦しみがない。

 

さらに鮫島さんの話には続きがあります。「罪をつくった犯人のこれからの人生、母親の悲しみを案じる気持ちしかありませんでした」と。こんな気持ちになれる人になりたいものです。

 

いずれにしろ、現世で原因が見当たらない、すなわち過去世の行いによって生じているかもしれないものであれば、善い結果に対しては「さらに善行を積んでいこう!」と決意し、悪いことであれば「罪を消していただいた」と喜ぶ。

 

鮫島さんはオレオレ詐欺にあわれたことを知ったご友人から「こんな時に言う言葉ではないけれど、おめでとうございます」とお電話をもらわれたとのこと。このご友人も凄いですね。でも、このような姿勢が大切なのだと感じました。

 

このような捉え方で人生を精進していきたいと思います。

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    方針

    • 2019.07.08 Monday
    • 09:38

    先日、「生産性向上の実現のためのアドバイスが欲しい」という会計事務所様に訪問してきました。

     

    その事務所では、半年前までの1年間、高い生産性を実現された事務所の指導を受け、具体的な取り組みをされていたとのこと。ところが、「どうしても受け入れないことがあった」とのことで、指導の継続を断念されたのだとか。「うちの事務所にマッチしたやり方を構築したい」、そう考え、いろいろと模索しておられる中、当社が先月開催したセミナーに参加された先生から「ぜひうちの職員に話をして欲しい」とのご依頼をいただき、今回の訪問となったのです。

     

    「どうしても受け入れられないこと」とは、“品質”に対する考え方だったそうです。指導先の事務所では、生産性の向上が何よりも優先され、「品質に関しては80点で構わない」と考えられているのだとか。「それがどうしても受け入れられなかった」のだそうです。

     

    私は、“品質”に対する指導先事務所の考え方が間違っているとは思いません。“品質”と“価格”に対する方針は、組織にとっての最重要方針のひとつであり、かつ、どのような方針が正しくて、どのような方針が間違っている、といえるような性質のものではなく、決められた方針によるとき、その組織の活動は経営的なものであるといえるのであり、またその方針の違いが他の組織との違いを表すものであるともいえます。要するに、組織はどのような方針をもとうと自由であり、そこに正誤はないということです。

     

    しかし、この方針の違いがありながら、その方法論だけを取り入れようとすることには無理があります。著書「事業承継対策の立て方・進め方」にも、後継者の「外飯」の対象となる企業の条件の一つに「経営方針に大きな違いがないこと」を挙げています。その違いを無視して、ビジネスモデルや経営スタイルなどを学ぶことはできません。今回の事例は、まさにその際たる例だと思います。

     

    1年間という月日を通してそのことに気付かれたその事務所様が、当社にお声掛けいただいたのは、セミナーの中で私たちの方針のひとつである「99点の仕上がりは0点と同じ。常に最低100点の仕事にプラスαしてプロとしての報酬をいただけることを心得ること」に共感いただけたからだとのことです。私どもの考えが正しいか、間違っているか、また私たちの取り組みがベストであるかどうかは別にして、正しい選択の視点だと思います。

     

    世の中にはたくさんの『成功事例』があります。もちろん、その成功事例に学ぼうとする姿勢は大切です。しかし、その成功には“前提”があります。その前提をよく精査して、自社に適合するものを学んでいく必要があるのだと思います。

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      やめる

      • 2019.07.01 Monday
      • 09:00

      去る6月20日、私が執筆した2冊目の本「業務を革新し付加価値をアップさせる税理士事務所の勝ち残りワークブック」が発刊されました。「“時短”と“拡大”の両立」をテーマに、日本実業出版社から会社名にて出していただきました。

       

      その中でも書かせていただいていますが、“時短”においては、現在の業務をできるだけ短時間に行えるようにすること、すなわち既存業務の生産性向上が不可欠です。そしてその具体策として最も大切な取り組みは、「やめるべき業務をやめる」ことです。

       

      そのためには、「やめるべき業務」の見極めが必要になります。その視点をかのP・F・ドラッカー氏の言葉で説明すると、次のようになります。

       

      すべての業務に対して、「まったくやらなければ何が起こるか?」と問いかけてみることである。もし何も起こらないようであれば、直ちに止める。

      (「経営者の条件」ダイヤモンド社)

       

      このような姿勢がなければ、本当に削減しなければならない業務を炙り出すことはできません。

       

      さらにドラッカーは、「身につけるべき5つの習慣的能力」として、

       

       ・自分の時間が何にとらわれているかを知ることである。そして、残された時間を体系的に管理することである。

       ・外の世界に対する貢献に焦点を合わせることである。

       ・強みを基盤に考え、行動することである。

       ・際立った成果を上げる領域に力を集中することである。その優先順位を守るよう、自らに強制することである。

       ・成果が上がるような意思決定をすることである。

       

      を挙げた上で、

       

      成果が上がらない者は、努力に焦点を合わせる。成果を上げる者は、貢献に焦点を合わせ、外に目標を向け、責任を重視する。

       

      と述べています。要するに、業務の「やる」「やらない」の判断は、何よりも成果に着目して行わなければならないのです。ぜひ、貢献に焦点を合わせ、成果の上がらない業務は積極的にやめるという姿勢をもっていただきたいと思います。

       

      なお、もしお知り合いに税理士事務所の方がいらっしゃるようでしたら、ぜひご紹介ください。また、具体例は税理士事務所の内容ながら、考え方としては、どの業種でも応用できると思います。よろしければ皆さんもご一読いただければ幸いです。

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        自分

        • 2019.06.24 Monday
        • 09:00

        先日、ある社長から、とても貴重な話を聞かせていただきました。

         

        その会社では、3年ほど前から「環境整備」に取り組まれているとのこと。物の置き場を決めて徹底するなど、細かい部分まで少しずつルールを作り、実践されてきたのでそうです。

         

        その取り組みの中で、あるとき、「文句ばかり言って、行動が伴わない人がいつの間にかいなくなった」ことに気付かれたのだとか。そして、低かった定着率が、どんどん上がってきて「このところ、辞める人がいなくなった」とも・・・。

         

        真理をついたお話しだと思います。

         

        今、「バイトテロ」などというものが世間を騒がしていますが、仕事や会社に対する誇りと、働く仲間との信頼関係がある会社では起こるはずがありません。もちろん、そのような悪事を行う低次元な人間そのものが問題なのですが、そのような人間が存在できる会社にしてしまっているから起こることです。

         

        今回のお話しは、まさにそのような問題の最大・最良の解決策なのだと思います。「環境整備」が徹底されている会社では、バイトテロなどを起こす人間にとってはいたたまれない。

         

        さらに、その社長の話は続きます。

         

        「環境整備がうまく行くか行かないかは、トップが徹底できるかどうかにかかっていると思います。うまく行っていない会社の話をお聴きするたびに、そう思います。その点、うちは徹底できてよかった。」

        「一方で、以前の定着率が低い、文句ばかり言って職場を搔き乱す社員がいることができる会社を作っていたのも私です。」

        「やはり、トップが変われば会社が変わる、ですね。」

         

        更に真理をついた話だと思います。

         

        今日の“今日の学び”で、「明るくすれば明るくなる。暗くすれば暗くなる。世界を作っているのは自分」と書かせていただきました。

         

        今の会社を作っているのは、間違いなく“自分”です。その会社を変えることができるのも、また“自分”です。

         

        今回の事例を通じ、改めて“自分”の役割と責任を考え直してみたいと思います。

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          物価

          • 2019.06.17 Monday
          • 09:00

          先週、昨年度の年度優秀社員6名を引率して、カナダのバンクーバーへ表彰旅行に行って来ました。大きなトラブルもなく、天候にも恵まれて、有意義な5日間を過ごしてきました。

           

          カナダは、自然豊かで、また人も温かく、料理もおいしく、とても素晴らしい国でした。しかし、少し驚いたのが“物価”の高さ。コーラは倍、なばなの里のような公園がざっと3倍といえば、感覚を掴んでいただくことができるでしょうか。予算がある旅行ですから、少々頭を抱えました。

           

          ときに、日本の生産性の低さが指摘されます。生産性を図るものさしが通貨である以上、物価の差がそのまま生産性の差となって現れますから、低くて当たり前だと感じました。

           

          そのこともあって、国は物価を上げようとしていますが、それもどうかと思います。生産性を高めて、モノやサービスが安く提供できるようにした結果が今の物価である以上、今あるものの値段を上げていくのは、本末転倒であるように思うのです。

           

          一方で、他国と比べて2〜3倍もの開きがあるわけではありませんから、実際の生産性はそれほど低くはないのではないかとも感じました。それどころか、もしそのものさしが“通貨”ではなく、(数値化することは難しいのですが)“満足度”だとすれば、日本の生産性は世界一ではないかとも思います。

           

          ただ、スーパーでも、公園でも、どこに行っても、働く人の数は、やはり日本の2〜3倍はいます。それだけ雇用を生む力をもっているともいえるでしょう。

           

          よって私たち経営者は、既存のモノやサービスについては、よりいっそう生産性を高めて、よりリーズナブルに提供できるようにしていく一方で、より付加価値の高いモノやサービスを提供していくようにすることで、“稼ぐ力”を付けていかなければならないと思います。

           

          今回の旅行を通じて、やはり客観的に物事を見ることの価値を感じました。通訳アプリの使い方をマスターして、また海外に出てみたいと思います。

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            承継

            • 2019.06.10 Monday
            • 09:00

            先日、瀬戸・旭倫理法人会で講話をさせていただきました。お話しするのは7年ぶりぐらいでしょうか。当会が瀬戸市倫理法人会としてスタートしたのが10年前。12回シリーズの講話をご依頼いただくなど、設立当初からお世話になっていました。

             

            その中で、独自で開催され今に続く、経営者・後継者・経営幹部の方々を対象とした『人財塾』という講座の初代講師を務めさせていただいていました。今回会場に到着すると、多くの卒業生の方々が待っていてくれました。10年経っても、覚えているものですね。顔を見た瞬間に、当時の状況が思い浮かんできました。

             

            中に、難病を抱えられた上に39度の熱を出されていたにも関わらず、「何としてもお会いしたかった!」と来ていただけた方がいました。まさに感無量でした。

             

            もうひとつ、嬉しいことがありました。3人の社長から「うちの息子です」と満面の笑みをたたえてご紹介いただいたのです。ご子息の名刺には、その会社の名前が。要するに、この7年の間に後継者として入社されていたのです。さらに、「今日は来れませんでしたが、息子が入ってくれまして」とのご報告を2名の方からいただきました。今回参加された企業は30数社。その中の5社がこの7年間に後継者を見出された。もうまさに、至福の時間でした。

             

            その中のひとりの社長が、「息子が入って、ますます事業意欲が湧いてきました」「もし息子が入っていなかったら、投資なんて考えもしなかったと思います」「今はガンガン借金して、ガンガン投資して、ガンガン事業を伸ばして、丸ごと引き継がせます!」と嬉しそうに語ってくれたのが印象的でした。

             

            借金の是非は別にして、「後継者ができると事業意欲が湧いてくる」という私の持論を証明していただき、さらに嬉しさが増しました。

             

            一方で、「瀬戸という地でこれほど同族承継が当たり前に行われているのはなぜだろう?」という疑問も浮かびました。いま世間で問題視されている状況とは少し異なっているような気がしたのです。「そこには何か秘訣がある」と思います。ぜひ、その秘訣を研究し、「あるべき事業承継の方向性をより一層明らかにしていきたい」という意欲が湧いてきました。

             

            この件については、またモーニングセミナーに呼んでいただけるそうなので、少しずつ研究を進めていきたいと思います。瀬戸・旭倫理法人会の皆様、そして『人財塾』の卒業生の皆様、ありがとうございました。またよろしくお願い致します。

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              思い

              • 2019.06.03 Monday
              • 09:00

              先日、祖父の二十七回忌法要がありました。その際、お坊さんからいただいたお話を少しご紹介させていただきたいと思います。

               

              60歳を少し超えたその方は、10歳の時、お寺に奉公に出されたとのこと。3人兄弟の二人目。今では死語ともいえる「口減らし」だったのだと思います。お母さんに手を引かれ、お寺の門前で言われた「頑張りなさい」との言葉が今でも耳から離れず、帰られるその後姿が忘れられないと言われます。

               

              小学校に行っている内はまだ気はまぎれるものの、当時のお寺さんは子供の遊び場。放課後、同級生が遊んでいる横目で、掃除や勤行などに励まなければならない。また夜の一人寝はとても寂しく、「何で自分だけが」と「母を恨んだ時もあった」のだとか。

               

              それでも親というものは恋しいもので、年に一、二度あるかないかの帰省で「お帰り」と温かく迎えられることが、何よりの喜びだったのだそうです。

               

              そんなお母様が昨年亡くなられました。晩年は末期がんで、終末ケア施設に入られていたお母様を、片道5時間かけて月1回お見舞いに行かれていたとのこと。帰り際、「気を付けて帰りなさいよ」と声をかけてくれるお母様に、いくつになっても失われない親の愛を感じられたのだとか。

               

              数か月してお亡くなりになり、冷たくなった頬に手を当てられながら、奉公に出されたとき、もちろん自分は悲しかったけれども、出したくないのに出さなければならないお母様の悲しみはそれ以上だったのだろうと感じられたそうです。

               

              ときに人は、「言っていること」「やっていること」と「思っていること」は違うものです。「思ってもいないことを言わなければいけない」ことは誰しも経験があることだと思います。一方で、人の言動に左右され、相手の本心に気付くこと、受け容れられないこともある。そして、「あのとき、わかっていたら、受け容れていたら」と後悔することもしばしばです。

               

              お話をお聴きしながら、私自身、相手の言動に惑わされてはいないか、その本質を見抜けているかを慮る力をより一層つけていきたい、そして、相手の思いに寄り添うことができる人間になりたいと強く感じました。今回もまた、よい気付きをいただくことができました。

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                式典

                • 2019.05.27 Monday
                • 16:53

                昨日、豊田市北倫理法人会の設立10周年記念式典に参加してきました。

                 

                当会は、2009(平成21)3月に、当時200社を超える会員がいた豊田市倫理法人会を、それぞれ70社くらいずつ「中央」「北」「南」の3つに分けてのスタートでした。100社にならないと“正”として認められないというルールがありますので、「北」と「南」は“準”倫理法人会でのスタートとなりました。100社ずつ2つに分ければ、最初から“正”として活動できたものを、わざわざ3つに分けられ、「30社足りない!」状況からのスタートにされたのです。

                 

                皆さんの会社においても、同じような意思決定を迫られることはありませんか?そのとき、「苦難の道を選ぶ」ことができるかどうかを考えていただければ、どれほど凄い決断だったか、ご理解いただけるのではないかと思います。

                 

                そして、なんと同年8月には“正”に昇格されていますから、そのパワーがまた凄い!私が初回のモーニングセミナーの講話者を務めさせていただき、続けて「経営と倫理」をテーマとした全12回のシリーズ講話をさせてもらったこともあり、この短期間での達成に、とても嬉しかったことを思い出します。

                 

                2009年といえば、リーマンショックの翌年で、無駄なコストは徹底的に削減されることが当たり前の状況の中で会員を増やされたことは、数倍の価値があるものではなかったかと思います。

                 

                そして10年経ち、その節目の年にまたシリーズ講話を任せていただいている最中での10周年記念式典でしたので、喜びもひとしおでした。

                 

                このような式典は、これまでの歴史を振り返り、いただいてきた“恩”を再確認して感謝の気持ちをお伝えする場です。また日常の中でともすると忘れかけてしまう物事の原点に立ち返る機会でもあります。更には、明日に向けての決意を新たにする。皆さんの会社でも大切にしていただきたいと思います。

                 

                豊田市北倫理法人会モーニングセミナーでの私の登壇は、もうしばらく続きます。次回は72日です。ぜひお運びください。お待ちしております。

                 

                最後に、式典のご準備ならびに運営をいただいた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

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                  利他

                  • 2019.05.20 Monday
                  • 09:00

                  私の好きな光景のひとつに、緊急車両が通過する際、走行する車が左右に寄って道を開ける、あのシーンがあります。救急車に乗っておられる方や、火災に見舞われてしまった方に対しては甚だ不謹慎かとは思いますが、日本人の心の美しさを表す姿のように思えるのです。

                   

                  先日、1日に3回もその光景に遭遇し、心が癒される思いでした。しかし、最後の1台については、少し悲しい気分にもなりました。

                   

                  救急車が赤信号を通過しようとしていたのですが、走行車線の車は少しずつ左右に分かれていき、スムーズに交差点に進入することができました。そこまでは、その映像に神々しさを覚えると共に、その一員になれたことに誇りさえ感じることができていました。

                   

                  しかし、よほど急いでいたのか、また車内が大音量でサイレンが聴こえなかったのか、横切る青信号側の4〜5台の車が、何食わぬ顔をして通り過ぎて行ったのです。その間、救急車は足止めされてしまいました。

                   

                  その時間は、わずか何秒の世界です。しかし、交差点のたびにこのような状況になれば、助かるはずの命が奪われてしまう可能性は否定できません。私は彼らに問いたい。「その救急車に乗っているのが自分の親族だったらどうするのか?」「今その消防車が向かっている先が自宅だったらどうするのか?」と・・・

                   

                  彼らが横目で緊急車両の存在に気付き、申し訳なさを感じてくれていればまだよいのですが、「自分さえよければよい」「今さえよければよい」といった考えで意図して行っているのであれば、とても悲しいことです。

                   

                  翻って、日頃の仕事の中でも、支援や協力を求められることがあります。しかし、自分には自分の仕事があります。手伝えばそれだけ労力が増え、帰る時間が遅くなります。そんなとき、あなたはどんな意思決定をしますか?

                   

                  好ましい風土をもつ組織の特徴の一つとして、「組織構成員が、相互に協力の意思と意欲をもっていること」が挙げられます。もちろん、気持ちだけではだめで、具体的な実践を伴っていることが必要です。実際に、素晴らしい組織風土の会社では、自然に、そして頻繁にそのような光景を目にすることができます。はたから見ていても、とても気持ちのよいものです。

                   

                  「もし私の子供だったら」「もし私の親兄弟だったら」「もし私の大切な人だったら」

                   

                  何事に対しても、そのような気持ちで対応していくことが必要ではないかと思います。

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                    資産

                    • 2019.05.13 Monday
                    • 08:50

                    先週、10数年ぶりに名古屋港水族館に行ってきました。「水族館は子供連れが行くところ」といった先入観が何となくあったため、子供たちが中学に上がったころからは、行楽地の候補にも挙がっていなかったのですが、「久しぶりに行ってみたい」という成人した家の女子たちの声に背中を押されて、久しぶりに尋ねることになりました。

                    http://www.nagoyaaqua.jp/

                     

                    結果は、「実に楽しかった!」でした。

                     

                    イルカのパフォーマンス、シャチやベルーガの公開トレーニング、マイワシのトルネード、ペンギンやウミガメなどの餌付けなど、実に多くのイベントが開催されていて、7時間、全く飽きることなく楽しむことができました。

                     

                    特にイルカのパフォーマンスやシャチの公開トレーニングなどは、これまで十回近く見ているはずなのですが、何度見ても心が躍ります。

                     

                    実は、今年に入って、岡崎、瀬戸、半田など、これまで仕事でしか伺っていなかったところに、観光目的で訪問するようにしているのですが、どこへ行っても「こんな場所があったんだ」と、新たな発見と感動をいただいています。

                     

                    ときに、「お客様が来ても連れて行くところがない」と言われる東海地方ですが、「決してそんなことはない」と痛感します。あまりに近すぎて、目に入っていないだけなんだろうと思います。

                     

                    翻って社内を眺めてみたとき、同じようなことになってはいないかと、その機会損失の大きさに、危機感を覚え始めてもいます。

                     

                    「自社の経営資源の価値をきちんと認識し、十分に生かし切っているといえるだろうか?」

                     

                    いろんなところにお邪魔するたびに、そんな疑問が頭をもたげてくるのです。一方で、そのような疑問を感じることができた結果、いくつかの“埋蔵品”の発掘ができました。そして、「結構、眠らせてしまっている資源があるものだ」と感じています。

                     

                    これらの取り組みは一時的に行うものではなく、継続的に行っていくものだと思います。その時々の状況や抱える課題などによって、気付くところが違うからです。

                     

                    よって常に「眠らせてしまっている資産はないか?」との疑問を持ちながら仕事をすることが大切なのだと思います。みなさんもぜひ、そのような視点をもって、日々を過ごしていただければと思います。

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                      著者 亀井英孝

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