承継

  • 2018.05.28 Monday
  • 09:05

514日の「承継」で登場した現役社長のお父様を亡くした社員から、改めて相談を受けました。

 

その内容は多岐に亘りましたが、一番の心配事は、典型的な創業者で親分肌であったお父様と、典型的な技術者で口数の少ない後継者のお兄様とのギャップでした。「社員の皆さんがついてきてくれるだろうか?」と。

 

こうしたケースは多いものです。この悩みに対して、私は2つの提案をしました。

 

ひとつは、四十九日が明けた頃に、お母様主催の社員さんをお招きした食事会を開くことです。生前お世話になったことを感謝すると共に、「後を継ぐ息子を宜しくお願いします」と頭を下げていただくのです。親分肌であった先代は、社員さんから信望が厚かったとのこと。その先代の奥様が望まれることであれば、決して無碍にはできないでしょう。それどころか、新社長を支えていこうという新たな覚悟が生まれるものと思います。私自身10年前、創業者の1周忌に奥様主催の食事会に招かれ、決意を新たにしたことを思い出します。

 

もう一つは、環境整備です。親分肌の先代と、口数少ない後継者。このような場合、お父様と同じようにしようと思っても、追いつくことはとても難しいことです。同じ土俵での勝負は、戦う前から負けが決まっているようなものだと考えておいた方がよいでしょう。

 

「寡黙で真面目」なお兄様には、言葉ではないものごとで社員さんへの思いを伝えていくことが最適です。一番わかりやすいのが職場の環境をよりよいものにしていくことです。それほどお金をかける必要はありません。それよりも、新社長自ら手足を動かすことで実現される方がよいでしょう。いずれにしろ、「社員さんが気持ちよく働いてもらえるように」との思いを込めて取り組まれることが大切です。

 

これ以外にもいろいろなアドバイスをさせてもらいましたが、最後に彼から出た「伝えておけばよかったと思うことがあまりにも多いことに悔いが残ります」という言葉がとても心に残りました。当社著作の『事業承継対策の立て方・進め方』も、お父様のために買っていたにも関わらず、「頑固なオヤジは読んでくれないだろう」と渡すことができていなかったとのこと。「どれだけ伝えても後悔の念は拭えなかったと思いますが、もっと言えたことはあったはず」との言葉は、とても重いものに感じました。

 

この言葉を聴きながら、対象者は誰ということなく、「伝えておけばよかった」と後悔しないようにしたいと強く思いました。「伝えないことで後悔はしないか?」常にこの言葉を自分に投げかけて、伝えるべきことをきちんと伝え切ることができるようにしたいと思います。

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    著者 亀井英孝

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