転換

  • 2019.02.25 Monday
  • 09:00

先日、13年ぶりにある社長とお話しする機会がありました。

 

以前お会いしていたときは、自動車部品を作っておられたのですが、リーマンショック後に自動車業界に見切りを付けられたとのこと。「2年間の放浪生活」を経て、何と、有料老人ホーム経営へ。まったくの異業種への転換で、お話しをお聴きしたときには、何とも大胆な行動に打って出られたものだと、少々あっけにとられました。

 

介護福祉業界共通の課題である「人材不足が悩みの種」とは言われるものの、「他施設より月15万円は高い」といわれる価格設定も奏功して、順調な経営を実現されているのだそうです。

 

「あのまま自動車部品を作り続けていたら、生き残っていけなかったかもしれない」とのお話をお聴きして、ここまで大胆な転換は難しいとしても、やはり企業は「変わり続けなければならない」ものだと改めて感じました。

 

加えて、「2年間の放浪生活」の中身をお聴きして、もう2つの気付きを得ることができました。

 

ひとつは、2年間「これから成長する業界」探しをされたのですが、ただ成長性・収益性が高いだけではなく、「やりたい仕事」という視点を大切にされていたことです。これまでも何度もお話ししてきましたが、私たち中堅・中小企業の最大の強みは、大きなマーケットを必要としないことです。よって「やりたい仕事に特化する」という視点はとても大切です。

 

もちろん、そうではない仕事をやらざるを得ない場合もあります。守らなければならないものもあるでしょう。でもその中に「やりたい!」と心から思える何かを見出す、ないしは創り出す努力は、常にし続けなければなりません。

 

もうひとつが、27人いたという社員さんへの対応です。その社長は、一人ひとりの個性や能力にマッチした会社を見つけ、全員を最適な再就職先へと導かれたとのこと。そして今では、全員がそれぞれの会社で輝いて働き、中には経営幹部として活躍されている方もいるのだとか。正直、感激しました。

 

経営者には、雇用責任があります。しかし、ときに自社内ではその責任が全うできないリスクは、常に付きまとうものです。図らずもそのような状況に陥ってしまったとき、どうしたら雇用責任を全うできるかを考え、果敢に実行するがトップの責任です。2年間、自らの目と足で全社員の最適な再就職先を見つけられた。とても素晴らしいことだと思います。

 

この会社は、“事業”の承継はできませんでした。しかし、社長の“思い”は間違いなく新しい事業に引き継がれると共に、それぞれのステージへと移っていった方々の胸に引き継がれ、それぞれのステージで花開くことと思います。

 

13年ぶりの再会は、私にとっても気付きの多いものでした。

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    著者 亀井英孝

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