伝統

  • 2019.09.30 Monday
  • 09:00

先週、私ども千年経営研究会が毎年行っている研修旅行で、岐阜県関市に行って来ました。その企画のひとつとして、「御刀鍛冶工 二十五代 藤原兼房」こと加藤賀津雄氏による鍛冶実演を拝見すると共に、お話を伺ってきました。本日は、その内容について、少しだけご紹介をさせていただきたいと思います。

 

関市では鎌倉末期から刀作りが始まり、多くの刀鍛冶がいらっしゃったのですが、先の敗戦でアメリカから刀づくりが禁止され、転廃業を余儀なくされたとのこと。室町時代に興った藤原家でも、南方戦線から帰還されたお父様が兄弟5人で包丁やナイフを製作する会社を立ち上げられ、生計を立てられるようになったとのこと。

 

しかし、日本の刀は「折り返し鍛錬」という世界に類を見ない製法で作られたもの。その技術を残すために、お爺様である二十三代を中心に国やアメリカに対して陳情を繰り返され、昭和27年にやっと製作が認められるようになったとのだとか。

 

但し、誰でも作ってよいというものではありませんでした。5年間刀鍛冶の下で修業した後、文化庁の試験に合格した者だけしか刀鍛冶として認められなくなったのだそうです。

 

更には製作本数が制限され、戦前は1日に10振りほど作っていたものが、長いもので15日に1振り、短いもので10日に1振りしか作れなくなってしまったとのこと。そのこともあってか、たとえ試験に合格したとしても、10人に34人しか食っていけない厳しい世界なのだそうです。

 

そんな中で、当家では42歳のご子息が既に二十六代を継がれています。そこまで続けられる理由をお尋ねしたところ、一言「残していかなあかんという気持ちだけ」と仰います。“伝統”を守っていく重さを感じました。

 

一方で、「お孫さんに継いで欲しいか」とお尋ねすると、「とても厳しい仕事。気軽に継いで欲しいと言えるものじゃない。ただ、自分たちの姿を見て、継ぎたいと思ってくれれば嬉しい」と。この言葉に、事業承継の本質を感じました。

 

「継ぎたいと思える会社にする」「継ぎたいと思ってもらえる経営者になる」

 

改めてその意義を、600年以上の重みをもって感じることができました。みなさんもご一緒に噛み締めてみてください。

 

最後に、この場を借りまして、今回の企画してくれた三好会メンバーと、他会ながら最大の協力をしてくれたH君に、心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。

  • 0
    • -
    • -
    • -
    • -

    calendar

    S M T W T F S
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    << October 2019 >>

    著者 亀井英孝

    profilephoto

    行事日程

    アクセスカウンタ

    selected entries

    archives

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM