指導

  • 2019.10.07 Monday
  • 09:00

先週に引き続き、関市の「御刀鍛冶士 第二十五代 藤原兼房」こと加藤賀津雄氏からお聴きした内容から、今週は“指導”に関わるお話をしたいと思います。

 

先週もお伝えした通り、刀鍛冶になるためには、最低5年の修行と文化庁の試験に合格する必要があります。さらに、合格した後、1年間は御礼奉公をするのが慣例なのだとか。

 

御礼奉公を含めた修業期間は、なんと無給かつ手弁当なのだそうです。また、原則として副業やアルバイトも禁止されているとのことで、ある程度の貯えか仕送りがないと生活できません。また一発で合格すればよいのですが、そうでなければ必要資金は年々増えていってしまいます。

 

その上、たとえ独立したとしても、刀鍛冶で食べていけるのは10人中3〜4人くらいなんだそうです。とても厳しい世界、余程の覚悟がなければ入門さえできませんね。

 

さらに、その試験も決して簡単なものではないようで、たとえば今年の合格者は、受験者9名中4名のみ。さらに一発合格者はお一人のみだったとのこと。

 

そのような厳しい試験なのですが、二十五代がこれまで育てられた6人のお弟子さんは全員一発合格されたとのこと。今年の唯一の一発合格者も、現在二十五代の下で修業されている方。ただよいものをつくられるだけではなく、人を育てることもできておられる。とても素晴らしいことです。

 

どうしたらそのようなお弟子さんたちを育てることができたのかをお尋ねしたところ、返ってきた答えは“厳しさ”でした。

 

二十五代ご自身、「兄弟子に厳しく育てられたからこそ今がある」と仰います。この世界では、たとえ弟弟子の失敗であったとしても、兄弟子が叱られるのだとか。その方は、自分が叱られることがわかっていても任せ、そして最後までやらせてくた。嫌われることがわかっていても厳しく叱責してくださったのだそうです。「そのときは嫌だった」そうですが、今ではその方に「感謝しかない」と言われます。

 

そこで、ご自身のお弟子さんに対しても

「今日やった失敗を、今日中に頭に叩き込め」

「これでいいやと思うな。どれだけでも追及していけ」

などと、日々厳しく指導されているのだそうです。その結果が、全員一発合格に繋がっているのだと思います。

 

 「失敗もするし、面倒くさいと思うこともある。でも取った以上、育てる責任がある」

その言葉に、“育てる”ことの厳しさを感じることができました。改めて、“指導”に対する意識と姿勢を見直す機会にしたいと思います。

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    著者 亀井英孝

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